はじめに|「摎って本当に実在したの?」
『キングダム』で語られる王騎将軍の過去。その中に登場する女性将軍・摎(きょう)の存在に心を動かされた読者は多いのではないでしょうか。
戦場を駆け抜け、王騎と共に夢を語り、そしてその命を散らした摎。
しかし、ふと気になるのが「この摎という人物、史実にも存在したの?」という疑問です。
この記事では、摎が実在したかどうか、モデルとなった人物がいるのか、そして彼女が物語に与える意味について中立的に解説していきます。
摎は史実には存在しない“創作キャラ”
結論から言うと、摎(きょう)は実在の歴史人物ではありません。
『史記』や『戦国策』など、中国戦国時代の主要な史書には摎という女性将軍の名前は登場しません。
つまり、摎は『キングダム』のオリジナルキャラクターです。
彼女は、王騎というキャラクターに“人間らしさ”と“哀しみ”を与えるために作られた存在であり、物語上のフィクションとして非常に重要な役割を担っています。
古代中国に女性将軍はいたのか?
摎のような女性武将が史実にまったく存在しなかったかといえば、そうとも言い切れません。
例えば、殷(いん)王朝の時代には、婦好(ふこう)という女性が実際に軍を率いた記録が残されています。
また、漢代やそれ以降の時代には、女性が兵を指揮した事例や、軍略を持つ人物もごく一部ながら登場します。
とはいえ、戦国時代の秦において、摎のように「将軍として戦場で活躍する女性」が記録された例はなく、やはり彼女は創作と考えるのが自然です。
摎というキャラの“物語上の意義”
摎が登場することで、王騎はただの「強い将軍」から、「夢を背負い、愛する人を失った男」へと変化します。
摎との結婚の約束、六大将軍を目指した理由、そして叶わなかった夢──。
それらすべてが、王騎の“静かな哀しみ”や“信に矛を託す理由”につながっているのです。
つまり、摎は王騎というキャラをより深く、感情的に描くために欠かせない存在なのです。
まとめ|摎は“フィクション”だからこそ心に残る
摎は実在の人物ではなく、史実にも登場しない創作キャラクターです。
しかし、だからこそ彼女は物語に深みを与え、多くの読者の心に強く残る存在となりました。
その死は王騎の原動力となり、矛は信へと受け継がれ、物語の大きなうねりを生み出しています。
「史実にいないから価値がない」のではなく、
「物語に必要だからこそ生まれた」摎。
その存在こそが、『キングダム』の魅力のひとつなのです。
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