『グッドモーニング USA』に隠された意味とは?人類初の原潜ノーチラスと『沈黙の艦隊』の繋がりを解説

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2025年9月26日公開の最新作が話題の『沈黙の艦隊』。物語の主人公、海江田四郎が「潜水艦によって世界を動かす」という壮大な思想を掲げた時、その背景には、一つの歴史的な出来事が深く影響していました。

それは、1955年、人類初の原子力潜水艦「ノーチラス」が、水面下の世界から浮上して打った、わずか二つの言葉からなる電文です。

「グッドモーニング USA」

この有名なメッセージは、単なる挨拶ではありませんでした。それは、海江田の思想の原点とも言える、ある壮大な「勝利宣言」だったのです。


なぜ「グッドモーニング USA」なのか?電文に込められた勝利宣言

1955年、アメリカ海軍の原子力潜水艦ノーチラスは、歴史上初めて、長期間にわたる水中潜航を成功させました。それまでの潜水艦は、定期的に浮上してディーゼルエンジンを動かす必要がありましたが、原子力の力で、潜水艦は文字通り「沈黙」を保つことができるようになったのです。

ノーチラスが長時間の水中航行を終え、カリブ海に浮上した時、彼らは上空の哨戒機に向けて、この電文を送信しました。

これは、地上の権力者や司令部へ向けた報告ではありませんでした。水面下という、これまで人類が踏み込むことのできなかった未知の領域を制覇した者が、地上の世界に向けて「我々は、ここにいるぞ」と告げる、高らかな勝利のメッセージでした。

「グッドモーニング USA」は、「水面下の世界を制した者が世界の新しい秩序を築く」という、人類史における新たな時代の始まりを告げる合図だったのです。

哨戒機へのメッセージが持つ意味

なぜ、地上ではなく哨戒機にメッセージを送ったのでしょうか?それは、空から海を監視する哨戒機こそが、当時の海上の秩序を象徴する存在だったからです。

ノーチラスは、その哨戒機に自らの存在を知らせることで、「水上から海を支配する時代は終わった」という、静かで、しかし決定的な宣言をしたのです。これは、地上の権力者が決して見ることのできない、水面下の世界に、新しい力が誕生したことを意味していました。

『沈黙の艦隊』と海江田の思想の繋がり

このノーチラスの歴史的な電文は、海江田四郎の思想と深く結びついています。

海江田は、原子力潜水艦「やまと」を、核兵器を持つことで世界を「沈黙」させる、究極の抑止力として位置付けました。これは、ノーチラスが示した「沈黙の力」を、さらに哲学的に昇華させたものです。

ノーチラスが単に水中を制覇したのに対し、海江田は、潜水艦の持つ「隠密性」と「核の力」を組み合わせることで、「水面下の世界を支配する者が、世界の平和を監視する」という、壮大な思想を掲げました。

海江田の行動は、ノーチラスが示した「水中の勝利宣言」を、国際政治の舞台で具現化したものだったのです。


まとめ

ノーチラスが打った電文は、単なる歴史的事実ではありませんでした。それは、海江田の思想の原点であり、この作品が描く「沈黙の力」の象徴です。

このマニアックな歴史的背景を理解することで、私たちは、海江田がなぜ「国を裏切ってまで」潜水艦に固執したのか、その真の理由をより深く知ることができるのです。

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