ディズニー映画『ホーンテッドマンション』の冒頭で、ゲストを異世界へと引き込むのが、アトラクションでも象徴的な伸びる部屋(ストレッチングルーム)」です。この部屋に飾られた「肖像画」こそ、館に隠された999人の亡霊たちの過去を暗示しています。
この記事では、映画版とアトラクション版の肖像画が持つ意味と、その裏側に隠されたドゥーム家(Doom Family)の呪われた物語を徹底解説します。
伸びる部屋の「肖像画」が語る不吉な運命
アトラクション版「ホーンテッドマンション」の伸びる部屋には、一見すると普通の肖像画が飾られています。しかし部屋が伸びることで、その絵の**「悲劇的な結末」**が明らかになります。
肖像画の人物 | 伸びる前の描写 | 伸びた後の描写が暗示する意味 |
老婦人 | 墓石の隣に立つ優雅な女性 | 墓の上に立っている。夫を殺し、夫の墓を愛でる殺人者(裏設定) |
紳士 | 下半身が何も見えない肖像 | 流砂に飲み込まれている。富を独占しようとして最期を迎えた |
美女とバラ | 毒々しい赤いバラを抱える美女 | 蜘蛛の巣とバラの毒に絡め取られている。毒殺を企てたが、自らも毒に倒れた。 |
映画版では、これらの肖像画がアトラクションへのオマージュとして登場し、館の住人たちが「自業自得な理由」で呪われた運命を辿ったことを、視覚的に示唆しています。
映画のキーとなる「変化する肖像画」の意味
アトラクションでは、ゲストが廊下を進むと、雷鳴とともに一瞬で絵が変化する「変化する肖像画(バストーム)」があります。この肖像画は生きている人間から亡霊へと変わる瞬間を捉えたものです。
- 「生きている」象徴から「死」の象徴へ:雷が鳴る前の肖像画には、美しい女性や屈強な騎士などが描かれていますが、雷鳴が鳴ると、それらの人物がガイコツや狼男、メデューサの姿に変わります。
- 映画における意味:映画でも、肖像画が劇的に変化する演出が使われています。これは、「この館の亡霊は、元は生きていた人間だ」という事実と、誰もが「過去の執着」にとらわれると恐ろしい姿(亡霊)に変貌してしまうという、物語の教訓を視覚的に示しているのです。
館の主人「ドゥーム家」と呪いの関係
アトラクションの裏設定や、過去の関連資料では、この館が「ドゥーム家(Doom Manor)」という一族の邸宅であったことが示唆されています。
- 「ドゥーム(Doom)」=「運命/破滅」:一族の名前である「ドゥーム」は、まさに**「破滅」や「運命」を意味します。肖像画に描かれた人々は、この一族の者、あるいは彼らに関わった人々であり、館そのものが呪われた運命を背負っていることを示唆しています。
- 映画版の再解釈:映画では、この呪われた館に住む999人の亡霊たち(過去の執着)のリーダーとしてハットボックスゴーストが登場します。肖像画の裏側にある悲劇の連鎖は、彼が館の住人たちを、悲しみに閉じ込めているという物語の核に繋がっています。
まとめ
『ホーンテッドマンション』の肖像画は単なる美術品ではありません。それは館に住む亡霊たちが辿った非業の死と、人間的な弱さを物語る、重要なヒントなのです。
映画を観る際は、一瞬で変わる肖像画、伸びる部屋の絵の細部に注目すると999人の亡霊たちが抱える悲劇がより深く感じられるでしょう。
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