※この記事はネタバレを含みますのでご注意ください。
『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』を見て
「結局、人魚を食べたのは誰?」
「どうして人魚を食べたの?」
「最初から不老不死になることが目的だったの?」
と気になった人も多いのではないでしょうか。
物語の大きな謎となっている「人魚を食べた犯人」。
その正体は、島民のヒトハとフタバでした。
しかし、2人が最初から不老不死を求めて人魚を狙ったわけではありません。
そこには、事故によって瀕死になった大切な相手を救いたいという切実な事情があったのです。
この記事では、ヒトハとフタバがなぜ人魚を食べたのか、不老不死になった経緯やセイレーンが怒っていた理由まで、物語の流れに沿ってわかりやすく解説します。
※ここからは『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』の重要なネタバレを含みます。
ちいかわで人魚を食べたのはヒトハとフタバ
結論からいうと、人魚を食べたのはヒトハとフタバです。
島でちいかわたちを迎えてくれる、頭に葉っぱをつけた島民の2人ですね。
セイレーンは「人魚を食べた犯人」を探して島民たちを襲っていました。
ところが、ヒトハとフタバは自分たちが人魚を食べたことを明かしません。
そのため、何も知らないほかの島民たちまでセイレーンに狙われることになります。
では、なぜ2人は人魚を食べることになったのでしょうか。
ヒトハはなぜ人魚を食べさせた?
きっかけとなったのは、海で起きた事故でした。
ヒトハとフタバが海に出ていたとき、セイレーンたちの遊びに巻き込まれてしまいます。
その事故によってフタバは瀕死の状態になってしまいました。
ここで重要なのは、ヒトハが最初から人魚を食べようと計画していたわけではないということです。
目の前でフタバの命が失われようとしている。
そんな状況でヒトハが思い出したのが、
「人魚の肉を食べると永遠の命を得られる」
という言い伝えでした。
ヒトハはフタバを助けるため、人魚を捕まえて調理し、その肉をフタバに食べさせます。
つまり最初に人魚の肉を食べたのはフタバ。
そして人魚を食べさせるという決断をしたのはヒトハだったのです。
フタバは人魚を食べて不老不死になった
人魚の肉を食べたことで、瀕死だったフタバは助かります。
しかし、それは単に傷が治ったということではありませんでした。
フタバは死なない体=不老不死になってしまったのです。
「大切な人を助けたい」というヒトハの願いは叶いました。
ところが、その代償はあまりにも大きなものでした。
助かったフタバは、これから自分だけが永遠に生き続けることになります。
そして『ちいかわ』らしい奇妙な設定として、不老不死になった体は単三電池を使うことで動くようになります。
一見すると「死ななくなった=良いこと」のようにも思えます。
しかし物語では、不老不死が必ずしも幸福ではないことが描かれています。
なぜヒトハも人魚を食べた?
ここでもう一つ重要なのが、
ヒトハまで人魚の肉を食べている
という点です。
ヒトハはフタバを救うために人魚を食べさせましたが、最初から自分も不老不死になるつもりだったわけではありません。
フタバは助かったあと、自分だけが永遠に生き続けることへの恐怖や孤独に直面します。
そしてヒトハにも人魚の肉を食べるよう求めます。
ヒトハも人魚を食べたことで、2人はともに不老不死となりました。
つまり流れを整理すると、
セイレーンたちの遊びに巻き込まれて事故が起きる
↓
フタバが瀕死になる
↓
ヒトハがフタバを助けるため人魚を食べさせる
↓
フタバが不老不死になる
↓
フタバが自分だけ永遠に生きることを恐れる
↓
ヒトハも人魚を食べる
↓
2人とも不老不死になる
ということです。
「不老不死になりたかったから人魚を襲った」という単純な話ではないところが、このエピソードの重い部分です。
セイレーンはなぜ怒っていた?
セイレーンが島を襲っていた理由も、人魚が食べられたことにあります。
セイレーンにとって人魚たちは大切な存在でした。
その人魚が何者かに食べられてしまったため、セイレーンは犯人を探していたのです。
つまりセイレーン側から見れば、
大切な仲間を奪った犯人を探している
ということになります。
ヒトハには「フタバを助けたい」という事情がありました。
一方、セイレーンにも「大切な人魚を奪われた」という理由があります。
そのため、この物語は単純に「ヒトハとフタバが悪い」「セイレーンが悪い」と割り切りにくい構造になっています。
そもそもの原因はセイレーンだった?
ここが『人魚の島のひみつ』で考えさせられるところです。
そもそもフタバが瀕死になったきっかけは、セイレーンたちの遊びに巻き込まれた事故でした。
ただし、セイレーンが意図的にフタバを傷つけようとしたわけではありません。
そのため、
「セイレーンが悪いから人魚を食べても仕方がない」
とも言い切れません。
事故によってフタバが瀕死になり、フタバを救うためにヒトハが人魚を犠牲にし、その結果セイレーンが復讐を始める。
それによって、事件とは関係のない島民たちまで巻き込まれていきます。
誰かを救うための行動が、別の誰かにとっては取り返しのつかない悲劇になってしまった。
ここに島編の怖さがあります。
ヒトハとフタバは悪者なの?
ヒトハとフタバの行動については、見る人によって印象が大きく変わるでしょう。
ヒトハが人魚を犠牲にしたこと自体は、決して軽い行為ではありません。
一方で、目の前で大切なフタバが死にかけている状況だったことも事実です。
「人魚を食べれば助けられる」と知ったとき、ヒトハに冷静な判断を求めるのは難しかったのかもしれません。
ただし、その後も2人が真実を隠し続けたことで、無関係な島民たちまでセイレーンに襲われることになりました。
ここは「フタバを救うためだった」という理由だけでは片づけにくい部分です。
ヒトハとフタバは完全な悪役として描かれているわけではありませんが、完全な被害者とも言い切れない。
セイレーンについても同様です。
こうした善悪では簡単に分けられないところが、『ちいかわ』のかわいらしい見た目からは想像できない物語の深さにつながっています。
「人魚を食べると不老不死」は昔話にもある?
実は「人魚の肉を食べると不老不死になる」という設定は、『ちいかわ』だけのものではありません。
日本には古くから八百比丘尼(やおびくに)と呼ばれる伝説があります。
人魚の肉を食べた女性が非常に長い年月を生き続けたという伝承で、人魚の肉と不老長寿を結びつける有名な説話です。
ただし、『ちいかわ』の人魚の設定が八百比丘尼を直接モデルにしていると公式に明言されているわけではありません。
そのため、
「日本に古くから似た人魚伝説が存在する」
というところまでを事実として捉えるのがよいでしょう。
かわいい世界なのに重すぎる「人魚の島」
『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』は、ちいかわ、ハチワレ、うさぎたちのかわいらしい姿を楽しめる一方で、物語の中心にはかなり重いテーマがあります。
ヒトハは大切なフタバを救いたかった。
フタバは一人だけ永遠に生きることが怖かった。
セイレーンは大切な人魚を奪われた。
それぞれの行動には理由があります。
だからこそ、「結局誰が一番悪かったの?」と簡単には答えられない物語になっているのではないでしょうか。
まとめ
『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』で人魚を食べたのは、島民のヒトハとフタバです。
ただし、2人は最初から不老不死を目的に人魚を狙ったわけではありません。
セイレーンたちの遊びに巻き込まれた事故でフタバが瀕死となり、ヒトハがフタバを救うために人魚を食べさせたことが始まりでした。
人魚の肉によってフタバは助かりますが、不老不死になってしまいます。
そして一人だけ永遠に生き続けることを恐れたフタバによって、ヒトハも人魚を食べることになりました。
一方、人魚を奪われたセイレーンは犯人を探し続けます。
友達を救いたかったヒトハと、仲間を奪われたセイレーン。
どちらにも大切な存在を思う気持ちがあり、それが新たな悲劇につながってしまったところが「人魚の島」の切なく、怖い部分なのかもしれません。
かわいらしいキャラクターの物語でありながら、「誰かを救うためなら別の命を犠牲にしてよいのか」「永遠に生きることは本当に幸せなのか」という重い問いまで残すエピソードです。
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