『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』を見て、
「モモンガ、さすがにうざくない?」
「性格悪すぎる!」
「こんなキャラクターだったの?」
と感じた人もいるのではないでしょうか。
モモンガはもともと、自分の欲望にとても正直で、周囲を振り回すことも多いキャラクターです。
そして映画でも、その性格はほとんど変わりません。
特に「人魚」をめぐるモモンガの言動は、物語の事情を知っている観客からすると「今それを言う?」と思ってしまうほど強烈です。
実際、映画公開後の感想でもモモンガの言動に対して厳しい反応が見られる一方、「性格がひん曲がっているところがかわいい」と好意的に受け止める声もあります。
つまりモモンガは、「性格が悪いから嫌われる」と同時に、「性格が悪いところまで含めて愛されている」キャラクターでもあるのです。
さらに今回の映画では、重くシュールな物語の中で、いつも通り自由なモモンガやうさぎの存在が一種の息抜きにもなっています。
この記事では、映画のモモンガが「うざい」「性格悪い」といわれる理由と、それでも人気がある理由について考えていきます。
※ここからは『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』のネタバレを含みます。
モモンガがうざい・性格悪いと感じるのはなぜ?
結論からいうと、映画のモモンガが特別に性格の悪いキャラクターへ変更されたわけではありません。
いつものモモンガです。
モモンガは自分の欲求に正直で、自分がかわいく見えることを意識した言動も多く、周囲への配慮より「自分がどうしたいか」を優先することがあります。
相手が困っていてもお構いなし。
自分が欲しいものがあれば欲しがる。
危険な状況でもマイペース。
こうしたモモンガらしさが映画でも存分に描かれています。
しかし『人魚の島のひみつ』は、命や罪、罰まで絡むかなり重い物語です。
そのため普段なら笑えるモモンガの自己中心的な言動が、映画ではより強烈に見えるのかもしれません。
「人魚を食べたい」はさすがにヤバい?
映画のモモンガで特に強烈なのが、人魚に対する反応です。
『人魚の島のひみつ』では、「人魚を食べる」という行為そのものが物語の核心に関わっています。
人魚が食べられたことによってセイレーンは怒り、島民たちは襲われるようになりました。
そんな物語の中でも、モモンガは人魚に興味を示します。
観客はすでに「人魚を食べる」という行為がどれほど大きな悲劇につながったのかを知っています。
その状況でのモモンガの言動だからこそ、
「いや、今それ言う?」
となってしまうわけです。
映画の感想でも、この人魚をめぐるモモンガの発言を印象的な場面として挙げる声があります。
普通なら空気を読んで口にしないようなことでも、欲望のまま口にしてしまう。
良くも悪くも、最後までモモンガらしさを貫いています。
モモンガはなぜこんなに自分勝手なの?
モモンガは基本的に、
「自分がかわいがられたい」
「自分が楽しみたい」
「自分が欲しい」
という欲求を隠しません。
ちいかわやハチワレが相手の気持ちを考えて悩むことが多いのとは対照的です。
特に今回の映画では、この違いが際立っています。
ちいかわは島で起きた出来事の真相を知り、大きな秘密を抱えることになります。
人魚、セイレーン、ヒトハとフタバをめぐる出来事は、「誰が正しいのか」を簡単には決められないほど重いものです。
そんな中でもモモンガは、いつも通り。
深刻な世界に合わせて急に性格が変わったり、殊勝なキャラクターになったりはしません。
そのため「空気が読めない」「自分勝手」と感じる一方で、モモンガというキャラクターの一貫性でもあります。
映画を初めて見た人ほどモモンガを嫌いになる?
これは十分考えられます。
普段から『ちいかわ』を見ている人なら、
「はいはい、いつものモモンガね」
と受け止められる言動でも、映画で初めてモモンガを知った人にはかなり強烈です。
ちいかわは臆病ながら相手のことを考える。
ハチワレは仲間思い。
ラッコは頼れる。
島二郎はちいかわたちを助ける。
その中でモモンガを見ると、
「なんでこの子だけこんなに自分勝手なの?」
と感じても不思議ではありません。
実際、モモンガは「誰にでも好かれる優等生キャラクター」として作られているわけではありません。
わがままで、図々しくて、欲望に忠実。
そこまで含めてモモンガなのです。
それでもモモンガが人気なのはなぜ?
これほど好き嫌いが分かれそうな性格なのに、モモンガは人気キャラクターでもあります。
理由の一つは、徹底して自分に正直だからでしょう。
モモンガは「いい子に見られよう」として自分の欲望を隠すタイプではありません。
欲しいなら欲しい。
かわいがられたいならアピールする。
気に入らなければ態度に出す。
その遠慮のなさは、現実にいたら困るかもしれません。
しかしキャラクターとして見ると、
「ここまで好き勝手やると逆に面白い」
という魅力になります。
映画公開後にも、モモンガのひねくれた性格そのものを「かわいい」と評価する感想が見られます。
つまり、
「性格がいいから人気」
なのではなく、
「この性格だからモモンガが好き」
というファンがいるキャラクターなのです。
重い映画だからこそ「いつものモモンガ」に救われる?
ここは『人魚の島のひみつ』のモモンガを考えるうえで、とても面白いポイントです。
この映画は見た目のかわいらしさに反して、かなり重い物語です。
人魚が食べられる。
セイレーンが復讐する。
島民が襲われる。
不老不死になったことで新たな苦しみが生まれる。
そしてちいかわは、物語の真相を知ってしまいます。
映画の感想でも「怖い」「重い」といった声があり、かわいいキャラクターだけを想像して見ると驚くような内容になっています。
そんな中でも、モモンガとうさぎはいつも通りです。
空気を読まずに自由に振る舞うモモンガ。
予測不能な行動をするうさぎ。
物語そのものは深刻でも、この2人までずっと深刻になってしまったら、映画全体がかなり重苦しいものになっていたでしょう。
実際に映画を見た人の中には、後半のうさぎやモモンガたちの場面を笑いどころとして評価する感想もあります。
その意味では、モモンガの「空気を読まなさ」は欠点であると同時に、映画の空気を少し軽くする役割にもなっているのではないでしょうか。
「うざい」と「面白い」が両立するのがモモンガ
モモンガについて面白いのは、
「うざい」
「性格悪い」
という感想と、
「面白い」
「かわいい」
「好き」
という感想が必ずしも矛盾しないことです。
むしろ、
「うざいけど好き」
が成立してしまうキャラクターです。
もしモモンガが映画の深刻な状況を察して、急に仲間思いの優等生になっていたら、それはもうモモンガらしくありません。
どれほど状況が深刻でも自分の欲望に忠実。
空気を読まない。
でも、そのせいで場面の空気が変わる。
だから腹が立つこともあれば、笑ってしまうこともあります。
映画でも、その絶妙な立ち位置は変わっていません。
うさぎとモモンガは似ているようで違う?
映画の重い空気を変えてくれるキャラクターとして、モモンガと並んで印象的なのがうさぎです。
どちらも自由奔放で、予想外の行動をします。
しかし2人には違いがあります。
うさぎは突拍子もない行動をする一方で、いざというときには驚くほど頼りになることがあります。
モモンガは、危険な状況でも基本的に自分の欲求を優先します。
つまり、
うさぎ=何をするかわからないけれど頼れる
モモンガ=何をするかわからないうえに自分優先
という違いがあります。
だからこそモモンガの方が「性格悪い」「うざい」と感じられやすいのでしょう。
それでも、どちらも物語の常識に縛られない存在です。
シリアスな展開の中にこの2人が入ることで、『ちいかわ』らしい独特なバランスが保たれています。
モモンガの性格が悪いのは映画だけではない
「映画でモモンガが嫌いになった」という人にとって重要なのが、モモンガの性格は映画だけのものではないという点です。
原作でもモモンガは、わがままで自分本位な行動をするキャラクターとして描かれています。
つまり映画版でモモンガだけが悪く改変されたわけではありません。
むしろ映画でも、
原作から続く「いつものモモンガ」が描かれている
と考えた方がよいでしょう。
そして原作では、モモンガについてさらに大きな秘密が示されています。
「なぜモモンガはこんな性格なの?」
という疑問を掘り下げていくと、現在のモモンガの「正体」に関わる話へつながっていきます。
その背景を知ると、映画だけを見たときとはモモンガの印象が変わるかもしれません。
モモンガは本当に「性格が悪い」だけのキャラクター?
モモンガの言動だけを取り出せば、「性格悪い」と感じる場面は確かにあります。
しかし、それだけで終わらないところがモモンガの面白さです。
ちいかわやハチワレのように「応援したくなるかわいさ」とは違います。
モモンガの場合は、
「またやってるよ……」
と呆れながら見てしまうかわいさがあります。
そして今回の映画のように物語が重くなればなるほど、その能天気さや自分勝手さが逆に目立ちます。
それを「うざい」と感じる人もいれば、
「この重い状況でも変わらないモモンガがいて安心した」
と感じる人がいても不思議ではありません。
モモンガは、見る人によって評価が大きく変わるキャラクターなのです。
まとめ
『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』のモモンガが「うざい」「性格悪い」と感じられる大きな理由は、どれほど深刻な状況でも自分の欲望を優先する、いつもの自由奔放な性格にあります。
特に人魚をめぐる言動は、事件の背景を知っている観客からすると強烈です。
しかし、映画だけでモモンガの性格が悪くなったわけではありません。
原作から続くモモンガらしさが、重いストーリーの中でより目立っているともいえます。
そして、その「いつも通り」であることが映画では別の役割も果たしています。
人魚をめぐる悲劇やセイレーンの復讐など、かなりシュールで重い展開が続く中、モモンガやうさぎが自由に振る舞う場面では、ふっと空気が変わります。
「うざい。でも面白い」
「性格悪い。でもモモンガらしい」
この両方が成立するのがモモンガです。
映画を見てモモンガが苦手になった人も、逆に「やっぱりモモンガ最高」と思った人もいるでしょう。
これほど評価が分かれること自体が、モモンガというキャラクターの強烈な魅力なのかもしれません。
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