『沈黙の艦隊』なぜ海江田四郎は国を裏切ったのか?孤高の男が掲げた「思想」とは

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2025年9月26日『沈黙の艦隊 北極海大海戦』の公開が決まり、再び注目を集める伝説の男、海江田四郎。彼は日本初の原子力潜水艦「シーバット」を強奪し、独立戦闘国家「やまと」を名乗ります。

なぜ、彼は祖国を裏切り、世界を敵に回すという破滅的な道を選んだのか?その行動は単なる反乱ではなく、彼自身の信念に基づくものでした。海江田四郎という男の行動の裏に隠された深く、そして危険な思想を徹底的に考察します。


「やまと」は平和のための「抑止力」

海江田の思想の根底にあるのは、核保有国が核で互いを牽制し合う「核の傘」という現実でした。彼は、核を持たない国は決して真の独立を保つことはできず、大国の都合に翻弄され続けると見ていました。

海江田は、自身の潜水艦「やまと」に核弾頭を搭載し、第三の核保有国となることで、日本や世界の平和を守ろうとしました。彼の目的は、戦争を始めることではなく、**「戦争をさせないための抑止力」として存在することだったのです。

「やまと」は、世界中のどこにでも潜伏できる能力を持つことから、海江田にとって、誰にも脅かされない「真の独立」の象徴でした。

悲しいまでに論理的な「核の哲学」

海江田の行動は、狂気的に見えますが、その思考は悲しいまでに論理的です。彼は、世界が核という「最強の力」で均衡を保っている以上、その輪に加わる以外に平和を保つ方法はないと考えました。

しかし、彼の思想には矛盾が潜んでいます。それは、平和のために究極の戦争兵器を持つという、究極の「矛盾」です。彼は、世界が争うことを止めるために、自らがいつでも世界を滅ぼすことができる力を手に入れました。

彼の目は、その矛盾の重みに耐え、すでに何かを諦めているようにも見えます。彼は、平和のためなら、自らが汚名を被り、孤独な存在となることを厭わなかったのです。

独裁者か、救世主か?海江田四郎の孤独な戦い

海江田は、仲間たちを率いながらも、その思想を完全に共有することはなく、常に孤独でした。彼の行動は、味方でさえ理解しがたいものであり、彼はただ一人、すべてを背負って戦い続けます。

彼は、自分を「独裁者」と呼ぶことも厭いませんでした。なぜなら、彼の思想は、誰にも理解されないかもしれない、ただ一人で成し遂げなければならない使命だったからです。

彼の戦いは、世界平和という崇高な理想を掲げながらも、その手段のあまりの危険性から、賛同者を得ることが難しい、孤独な戦いだったのです。


まとめ

海江田四郎が国を裏切った理由は、個人的な恨みや名誉のためではありませんでした。それは、世界を平和に導くという、彼なりの哲学と信念に基づいたものでした。

彼の行動は、正しいか間違っているかを安易に判断することはできません。しかし、彼の孤高な戦いは、真の平和とは何かを、私たちに問いかけ続けているのです。

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