金曜ロードショーで放映されるたびに、多くの視聴者を感動させてきた映画『E.T.』。しかし、この愛らしい物語の裏には、長年ネット上で囁かれてきた不気味な「都市伝説」がいくつも存在します。
なぜ、感動的な作品に悲惨な噂がつきまとうのでしょうか？ここでは『E.T.』にまつわる有名な都市伝説の真相と、それが生まれた理由を考察します。
幻の続編『E.T. II』は、なぜ制作されなかったのか？
『E.T.』には、一時期、続編の企画が存在していました。そのタイトルは『E.T. II：恐怖の冒険』（E.T. II: Nocturnal Fears）。この続編のプロットが、あまりにも暗く衝撃的な内容だったことから、ファンの間で都市伝説のように語り継がれています。
- プロット案の真相: 企画案では、エリオットが誘拐され、E.T.を拷問する邪悪な異星人が登場するなど、オリジナルの温かい雰囲気とはかけ離れた、ホラー色の強い物語でした。この企画が、監督のスピルバーグによって即座に却下されたのは、作品のイメージを大きく損なうと判断されたためです。
この都市伝説は、実際に存在した企画案に基づいているため、多くの人々を信じ込ませる力を持っていました。
映画に「隠れE.T.」は本当にいるのか？
映画の中には、本物のE.T.以外にも、画面の片隅に隠された「もう一人のE.T.」が映り込んでいる、という噂があります。これは、ホラー映画で流行した「隠れ悪魔」の都市伝説が、『E.T.』に転用されたものです。
- 噂の真相: 実際には、映画のどこにもそのような「隠れE.T.」は存在しません。これは、都市伝説が持つ「見つけようとする面白さ」と、観客の想像力によって広まったものです。
しかし、スピルバーグ監督の遊び心は、別の形で存在していました。作中でエリオットの家にやってくるハロウィンの仮装行列の中に、スターウォーズのキャラクター、ヨーダが紛れ込んでいるシーンは有名です。E.T.がヨーダに気づき、追いかけようとする描写は、スピルバーグと『スター・ウォーズ』監督のジョージ・ルーカスとの友情を示唆しています。
E.T.は元々「別の映画」のエイリアンだった？
E.T.は、スピルバーグが監督を務めるはずだった別のホラー映画『ナイト・スカイズ』に登場する予定だった邪悪なエイリアンの設定がベースになっている、という話があります。
- 真相の裏側: 実際、『ナイト・スカイズ』は制作中止となりましたが、その企画にはE.T.によく似たエイリアンが登場しました。しかし、スピルバーグ監督は、そのコンセプトを温かい物語に転用することを決め、『E.T.』の企画が誕生しました。
この都市伝説は感動的な物語の裏に恐ろしいルーツがあったという、人々の好奇心を強く刺激するものでした。
まとめ
『E.T.』にまつわる都市伝説は、作品の持つ純粋な感動とは対照的な「怖さ」や「不気味さ」を付加することで、人々の心を惹きつけてきました。これらの噂の多くは、ホラー映画の要素を意図的に持ち込むことで、ファンの間で共有される「もう一つの物語」を作り上げたのです。
コメント