『マレフィセント』カラスはなぜ忠誠を尽くしたのか？ディアヴァルに隠された真実とは

実写版『マレフィセント』を観た多くの人々が、悪の妖精マレフィセントに忠実に仕えるカラスのディアヴァルの存在に心を惹かれたのではないでしょうか。彼は、単なる使い魔ではなく、物語の重要な部分を担う、もう一人の主人公とも言える存在でした。

なぜ、ディアヴァルはマレフィセントにそこまで忠誠を尽くしたのでしょうか？そして、彼の存在は、マレフィセントというキャラクターにどのような深みを与えたのでしょうか？この記事では、ディアヴァルに隠された真実を徹底的に考察します。

呪われたカラスから「心」を持つ男へ

物語の序盤、ディアヴァルは人間によって呪われ、瀕死状態のカラスでした。
そんな彼を救ったのは、マレフィセントの魔法です。

マレフィセントは、ディアヴァルをカラスから人間へと姿を変える魔法をかけ、彼に第二の人生を与えます。しかし、彼女の魔法は、ディアヴァルに人間としての姿だけでなく、人間が持つ「心」と「感情」をも与えました。

ディアヴァルは、この恩義に報いるため、マレフィセントに忠誠を誓います。彼の忠誠心は、単なる主従関係ではなく、「命を救われた者」としての深い感謝と、彼女の悲しみを理解する「共感」から生まれていました。

心を閉ざし、冷酷な存在となったマレフィセント。彼女がオーロラ姫に呪いをかけ、その成長を見守る中で、唯一、人間らしさを保っていたのがディアヴァルでした。

マレフィセントがオーロラ姫を崖から落とそうと計画した時、彼は「彼女はまだ赤ん坊です！」と止めに入ります。また、オーロラ姫の成長を喜ぶマレフィセントに、彼は常に温かい言葉をかけ続けました。

ディアヴァルは、マレフィセントの「良心」を象徴する存在だったと言えるでしょう。彼は、マレフィセントの心にまだ残っていた、人間への愛や優しさ、そして失われた純粋さを映し出す鏡の役割を果たしていました。

マレフィセントは、ステファンの裏切りによって人間を信じられなくなり、孤独な存在となっていました。しかし、彼女のそばには常にディアヴァルがいました。

彼は、マレフィセントの孤独を埋める唯一の存在であり、彼女が誰にも見せない弱い部分や、心の葛藤を理解できる、唯一無二の存在でした。ディアヴァルとの絆は、物語のラストでマレフィセントが「真実の愛」を見つけるための、重要な土壌となっていたのです。

ディアヴァルは、単なるマレフィセントの家来ではありませんでした。

彼は、マレフィセントが失った「心」と「良心」を映し出し、彼女を孤独から救った「愛」と「希望」の象徴でした。彼の存在があったからこそ、マレフィセントは再び人間を信じることができ、オーロラ姫に「真実の愛」を与えることができたのです。