スタジオジブリの名作『火垂るの墓』に登場する“親戚のおばさん”は、視聴者の間で最も議論を呼ぶキャラクターの一人です。
彼女の態度に対して「ひどい」「冷たい」「嫌い」といった声が多く、ネット上ではたびたび炎上の的にもなっています。
この記事では、「火垂るの墓 親戚のおばさん」というキーワードをもとに、彼女のキャラクターや背景、なぜあそこまで厳しかったのかを掘り下げて考察していきます。
親戚のおばさんはどんな人物?
清太と節子の母の親戚にあたるこのおばさんは、空襲によって家を失った兄妹を一時的に引き取ります。
一見すると「面倒を見てあげている」立場ですが、日が経つにつれ態度が冷たくなり、特に清太に対して厳しい言葉を浴びせるようになります。
食料が不足する中で「働きもしないで飯だけ食うな」などの言葉をぶつけ、清太と節子は次第に居場所を失っていくのです。
実は遠い親戚だった?打算的な背景の可能性
原作小説では、この親戚のおばさんは清太の「父の従兄弟の妻の実家の女性」とされています。つまり、かなり遠い親戚関係であり、血のつながりがほとんどない存在なのです。
そのため、彼女の行動には情というよりも義務や打算があったと見ることもできます。
特に当時、清太の父が海軍将校であったことから、軍関係の家庭を引き取れば食料や特権を得られると考えた可能性も否定できません。
しかし、清太の父は後に戦死。海軍からの恩恵も望めず、単に負担が増えた形となったことで、彼女の態度はより冷たくなっていったとも考えられます。
なぜおばさんは冷たくなったのか?
多くの視聴者が疑問に思うのは、「なぜここまで冷たい態度をとるのか?」という点です。
彼女の行動の背景には、当時の戦時下という極限状態が影響していると考えられます。
彼女自身も食糧や生活物資に困っており、「自分の家族を守る」ことが最優先だった可能性が高いです。
清太が学校にも行かず働く様子も見せなかったことが、おばさんの苛立ちを募らせた原因の一つとも言えるでしょう。
視聴者の意見:おばさんは悪人か?
SNSや掲示板では「おばさんの態度は理解できない」「あの人が一番の戦犯だ」といった批判的な意見が多い一方で、「当時の状況を考えれば仕方がない」「むしろ現実的な対応だった」と擁護する声も存在します。
おばさんの行動は、単純な“善悪”では測れない戦時中の価値観や葛藤を象徴しているとも言えるのです。
アニメと原作の違い
アニメ版ではおばさんの態度がより強調されて描かれていますが、原作小説ではそこまで明確な悪意は描かれていません。
アニメでは視聴者により強い感情を呼び起こすため、脚色された可能性があります。
その一方で、おばさんの存在が「戦争が人を変える」ことの象徴的な存在として描かれている点は、両方に共通しています。
まとめ:おばさんの冷たさが浮き彫りにする戦争のリアル
『火垂るの墓』における親戚のおばさんの存在は、物語をより深く、そして現実的なものにしています。
彼女の冷たさに対する違和感や怒りが、かえって戦争の恐ろしさや人間の弱さを浮き彫りにしているのです。
見る人によって評価が分かれるキャラクターですが、だからこそ語られ続け、議論の対象になる価値があるのかもしれません。
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