映画『国宝』俊介の病と死因|舞台に捧げた命と隠された壮絶な最期

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映画『国宝』では、物語の後半において半次郎の息子・俊介が病に苦しむ姿が描かれます。しかし、その死因や亡くなった時期については明確に語られていません。本記事では、映画の描写と原作で判明している事実をもとに、俊介の病状や死因、そして最期の日々について考察します。

映画で描かれた俊介の病の片鱗

映画では、俊介が体調不良を抱えながらも舞台に立ち続ける様子が断片的に描かれます。観客の前では凛とした姿を見せる一方、楽屋裏や稽古場では苦しそうな表情を浮かべる場面が印象的です。歩行が不自由になっている様子も見られ、観客は彼の体に何が起きているのかを想像せずにはいられません。

原作で判明している病名

原作小説では、俊介がすい臓がんを患っていたことが明らかにされています。すい臓がんは進行が早く、自覚症状が出る頃にはすでに末期であることが多い病です。加えて俊介は、糖尿病を背景に足の壊死という重い合併症にも苦しんでいました。

足の壊死と切断手術

俊介は糖尿病性壊疽により左足を切断しており、さらに右足にも壊死が始まっていました。医師からは近いうちに右足も切断する必要があると告げられていたといいます。これは糖尿病の三大合併症のひとつである糖尿病網膜症糖尿病性腎症の進行とも関連しており、全身状態は極めて悪化していました。

糖尿病と遺伝の影

俊介の父・半次郎も糖尿病を患っており、失明しかけるほど進行していました。二人とも病を抱えながら舞台に立ち続けた姿は感動的であると同時に、皮肉にも「芸の血筋」と同じく病まで受け継いでしまったのではないかという思いを抱かせます。遺伝的要素の強い2型糖尿病だった可能性が高く、その影響は俊介の病状にも色濃く表れていたでしょう。

舞台『曾根崎心中』と最期の時期

俊介が主演を務めた舞台『曾根崎心中』は、彼にとって最後の大きな公演となりました。映画では、その後の俊介の姿は描かれず、亡くなった時期や経過は明かされません。しかし、原作では公演後まもなく病状が急激に悪化し、数か月以内にこの世を去ったとされています。

満身創痍で立ち続けた理由

俊介は足の切断や全身の倦怠感、息切れなど、通常であれば舞台に立つことすら不可能な状態でした。それでも舞台に立ち続けたのは、父・半次郎から受け継いだ役者としての執念「舞台上で生き、舞台上で死にたい」という覚悟があったからでしょう。観客の前では決して弱音を吐かず、最後まで役を全うする姿は、多くの人の胸に深く刻まれました。

まとめ

俊介の死因はすい臓がんであり、糖尿病による合併症がその苦しみをさらに増していました。左足切断、右足壊死、失明の危機、腎症の可能性など、満身創痍の中で舞台に立ち続けたその姿は、まさに命を削った芸の道そのものです。映画では詳細は語られませんが、原作と合わせて知ることで、俊介という人物の生き様がより鮮明に浮かび上がります。

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