映画『国宝』の中で、主人公・喜久雄が「歌舞伎がうまくなれば他には何もいらない」と願をかけた小さな神社。この印象的なシーンの舞台となったのが、京都・上七軒に実在する光盛大明神です。観客の間でも「あの神社はどこ?」と話題になり、聖地巡礼先として注目を集めています。
映画で描かれた喜久雄の願掛け
喜久雄は芸の道に全てを捧げ、歌舞伎役者としての成功を強く願う人物。映画では、静かな境内で手を合わせる姿が描かれ、その一心不乱な祈りが観る者の胸に響きます。小さな祠と灯籠に囲まれた空間は、京都ならではの情緒を感じさせるロケーションです。
光盛大明神とは?
光盛大明神は京都市上京区真盛町にある小さな神社で、北野白梅町駅から徒歩約14分の距離にあります。上七軒歌舞練場に隣接しており、芸能上達の神様として舞妓や芸妓たちに親しまれてきました。
喜久雄は悪魔と取引したと言っていましたが、こちらの神社のご祭神は手塚太郎光盛。
木曽義仲(鎌倉時代の源頼朝の従兄弟にあたる人物)に仕えた武将で、その名から「手塚」ゆかりを感じるファンもいます。歴史的な記録は多く残っていませんが、長年にわたり地元の人々に信仰され、特に芸事に携わる人々から篤く崇敬されています。

芸能と結びついた上七軒の街並み
上七軒は京都最古の花街とされ、伝統的な茶屋や町家が並びます。春には北野天満宮の梅花祭、夏には盆踊りといった催しもあり、芸と文化が息づく街です。そんな環境にある光盛大明神は、芸事を志す者が日々参拝する場所として自然に溶け込んでいます。
なぜ映画のロケ地に選ばれたのか
歌舞伎をテーマにした『国宝』にとって、舞台芸術の中心地にある光盛大明神はまさに象徴的な存在。喜久雄の「芸のために全てを賭ける」という心情を映す場として、歴史と文化の重みを併せ持つこの神社が選ばれたのでしょう。
実際に訪れると、境内の静けさと厳かな雰囲気が映画のシーンそのままに感じられ、ファンにとっては特別な体験となります。
聖地巡礼:アクセスと楽しみ方
- 所在地:京都府京都市上京区真盛町
- アクセス:京福電鉄「北野白梅町駅」から徒歩約14分、上七軒バス停から徒歩数分
- 見どころ:小さな境内、灯籠、上七軒歌舞練場との近さ
まとめ
映画『国宝』で喜久雄が願をかけた光盛大明神は、実在する京都・上七軒の小さな神社です。芸能上達の神様として知られ、今も多くの人が祈りを捧げています。映画の印象的なシーンと重ねながら訪れることで、物語の余韻を深く味わえるでしょう。
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