『鬼滅の刃』に登場する上弦の参・猗窩座(あかざ)。彼が鬼となる前の人間時代には、唯一心を通わせた女性がいました。それが、師匠の娘・恋雪(こゆき)です。
恋雪と猗窩座(狛治)の出会い
人間時代の猗窩座――本名「狛治(はくじ)」は、幼い頃から病弱な父を養うため、スリを繰り返しては捕まっていた少年でした。そんな彼が師範・慶蔵(けいぞう)に拾われ、更生の道を歩み始めます。
そこで出会ったのが、慶蔵の一人娘・恋雪です。恋雪は体が弱く、外に出ることもほとんどできませんでしたが、真っ直ぐで優しい性格の持ち主でした。
恋雪の病気と症状の考察
作中では恋雪の病名は明かされていませんが、咳や高熱を繰り返す症状が描写されています。江戸時代の日本では、これらは結核(肺病)である可能性が高く、長期間の療養が必要な病でした。
当時の医療では完治が難しく、清潔な環境や栄養価の高い食事、そして精神的な安定が重要とされていました。狛治は恋雪の療養を支えるため、慶蔵道場で懸命に稽古と手伝いを続けます。
道場の息子が抱いた嫉妬
恋雪に密かに想いを寄せていたのは、近隣の道場の跡取り息子でした。しかし、恋雪の心が狛治に向けられていることを知り、強い嫉妬と恨みを抱くようになります。
そしてある日、道場の息子は卑劣な手段に出ます。井戸の水に毒を入れ、恋雪と慶蔵を殺害してしまったのです。これは狛治が恋雪との結婚を亡き父の墓前に報告のために道場を留守にしていた間に起きた悲劇でした。
愛する人を失った夜
帰宅した狛治が目にしたのは、冷たくなった恋雪と慶蔵の姿。絶望と怒りに支配された狛治は、犯人である剣術道場の息子や門下生らを素手で全員殺害します。その数なんと67人。
この一夜が、狛治の運命を大きく変えました。絶望の中で鬼舞辻無惨に出会い、鬼となる道を歩むきっかけとなったのです。
恋雪の存在が猗窩座に与えた影響
鬼となった猗窩座は、人間時代の記憶を失っていました。しかし、心の奥底には恋雪との思い出が刻まれており、無意識に「弱者を襲わず嫌い、強者とだけ戦う」という信念を持ち続けます。
それは、かつて病弱な恋雪を守るため、強くあろうとした狛治の名残でもありました。
まとめ
- 恋雪は猗窩座(狛治)の師匠・慶蔵の娘
- 病弱で結核の可能性が高い
- 道場の息子の嫉妬により毒殺される
- 恋雪の死が狛治を鬼へと導く大きな要因になった
鬼として数多の命を奪った猗窩座ですが、その根底には恋雪という一人の女性を守れなかった後悔と、彼女に捧げた真っ直ぐな愛がありました。
狛治を鬼とさせたのは嫉妬と妬みという人として最も醜い感情でした。私は鬼よりも鬼舞辻無惨よりも人間の心に潜む醜い感情に怒りと悲しみを感じます。
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