『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』を観たあと、
「赤魚の煮付けを見ると怖くなった」
「なぜ単三電池が重要なの?」
「しるこサンドまで怖く見える……」
という人もいるのではないでしょうか。
一見すると何の関係もない「赤魚」「単三電池」「しるこサンド」。
しかし映画を最後まで観ると、どれも人魚の島に隠されていた恐ろしい秘密につながっています。
結論からいうと、しるこサンドは人魚をおびき寄せるために使われ、食べられた人魚の肉によってヒトハとフタバは不老不死となり、その代償のように単三電池で動く身体になりました。
そして映画公開後に話題になった「赤魚の煮付け」は、作中で人魚が煮付けにされる衝撃的な展開を連想させるアイテムです。
かわいい『ちいかわ』の世界で描かれるにはあまりにもブラックな展開。
この記事では、赤魚・単三電池・しるこサンドがなぜ「怖い」といわれるのか、物語の真相とあわせて解説します。
※ここから『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』の重大なネタバレを含みます。
赤魚の意味は?人魚の「煮付け」を連想させる
まず整理しておきたいのが「赤魚」です。
映画の中で「赤魚」という魚が重要な存在として登場するわけではありません。
赤魚が話題になった理由は、物語の核心である人魚を煮付けにして食べる展開を連想させるためです。
人魚の島では、セイレーンが島民たちを襲っています。
その理由は、大切な仲間である人魚が何者かに食べられてしまったから。
セイレーンは犯人を探していたのです。
そして物語の終盤で、人魚を食べた事件にヒトハとフタバが関係していたことが明らかになります。
人魚の肉には「食べると永遠の命を得られる」という特殊な力がありました。
この人魚が調理された姿が「煮付け」。
そのため映画を観た人にとって、普通の「赤魚の煮付け」まで人魚の煮付けを思い出させる不穏な食べ物になってしまったのです。
ヒトハとフタバはなぜ人魚を食べた?
ヒトハとフタバは、最初から不老不死を求めて人魚を襲ったわけではありません。
きっかけとなったのは事故でした。
2人が海に出ていた際、人魚たちとぶつかってしまい、フタバが大きな傷を負ってしまいます。
フタバを助けたいヒトハ。
そこでヒトハが思い出したのが、
「人魚の肉を食べると永遠の命を得られる」
という話でした。
ヒトハはフタバを助けるために人魚を捕まえ、その肉を食べさせます。
結果としてフタバは助かりました。
しかし、これで終わりではありません。
永遠に生き続けることになったフタバは、一人だけ不老不死になることを恐れます。
そしてヒトハも人魚の肉を食べ、2人とも不老不死の身体になったのです。
つまり人魚を食べた理由の始まりには、フタバを助けたいという思いがありました。
しかしその行動によって人魚は犠牲になり、セイレーンの怒りへとつながっていきます。
単三電池の意味は「不老不死の身体」
人魚の肉を食べたヒトハとフタバは、普通の島民とは違う身体になっています。
その秘密を象徴しているのが単三電池です。
2人は人魚の肉によって永遠の命を得た一方、身体を動かすために単三電池が必要になりました。
つまり、
人魚の肉を食べる
↓
不老不死になる
↓
身体が単三電池で動くようになる
という、あまりにも奇妙な状態になっていたのです。
「不老不死」と聞くと、いつまでも若く健康に生きられる夢のような能力を想像します。
ところが『ちいかわ』では、そこに「単三電池で動く」という不気味な設定を組み合わせています。
かわいい見た目とブラックな設定の落差が、島編の怖さの一つです。
「炭酸」と「単三」は伏線だった
映画をもう一度観ると気づくのが、「炭酸」という言葉です。
「たんさん」と聞けば、普通はシュワシュワした飲み物の炭酸を思い浮かべます。
しかしヒトハとフタバにとっては違います。
炭酸=たんさん
単三=たんさん
と、同じ音になっています。
ヒトハとフタバの身体を動かしているのは単三電池。
そのため何気ない「炭酸」という言葉が、2人の秘密につながる伏線になっていたのです。
初めて観たときには単なる会話に聞こえても、真相を知ったあとでは意味が変わります。
こうした小さな違和感が後から恐ろしい意味を持つのも、『ちいかわ』らしい仕掛けでしょう。
しるこサンドはなぜ怖い?
そして赤魚や単三電池と並んで、映画を観たあと印象が変わってしまう食べ物がしるこサンドです。
しるこサンドは実在する松永製菓のお菓子で、名古屋発祥のロングセラー商品です。
もちろん、しるこサンドそのものに怖い意味があるわけではありません。
怖いのは映画での使われ方です。
ヒトハは人魚を捕まえるために、しるこサンドを利用します。
かわいらしいお菓子で人魚をおびき寄せ、その後に起こることを考えると、非常にブラックな場面です。
さらに映画では、直接的な残酷描写を前面に出すのではなく、しるこサンドという身近でかわいい食べ物を印象的に使っています。
そのため観客は「何が起きたのか」を想像することになります。
見せないからこそ怖い。
この演出によって、何の変哲もないしるこサンドまで不穏なアイテムに見えてしまうのです。
赤魚・しるこサンド・単三電池は全部つながっている
一見するとバラバラに見える3つのアイテムですが、物語の順番に並べると関係が分かります。
しるこサンド
→人魚をおびき寄せるために使われる
人魚の肉
→煮付けにされ、ヒトハとフタバが食べる
単三電池
→人魚の肉を食べて不老不死になった2人の身体に必要になる
そして映画を観た人に人魚の煮付けを連想させるのが、公開後に話題になった「赤魚の煮付け」です。
つまり、
しるこサンド → 人魚 → 煮付け → 不老不死 → 単三電池
と、すべてが一つの事件につながっています。
映画を観る前なら「お菓子・魚料理・乾電池」でしかありません。
しかし真相を知ったあとでは、どれもヒトハとフタバが隠していた秘密を思い出させるアイテムになります。
なぜここまで「怖すぎる」と感じるのか
『人魚の島のひみつ』が怖いのは、単純に人魚が食べられるからだけではありません。
特に怖いのは、日常的でかわいいものと残酷な出来事が同時に存在していることです。
しるこサンドは普通のお菓子。
煮付けは普通の料理。
単三電池も家庭にある身近なものです。
ところが『ちいかわ』の世界では、それらが人魚を食べた事件の記憶と結びついています。
しかもヒトハが人魚を食べさせた最初の理由は、傷ついたフタバを助けるためでした。
単純な悪意から始まった事件ではないところも後味の悪さにつながっています。
誰かを助けるために別の誰かを犠牲にする。
そしてその結果、今度はセイレーンが復讐のため島民を襲う。
かわいいキャラクターたちの物語でありながら、「誰が悪い」と簡単には割り切れない構図になっているのです。
赤魚と単三電池・しるこサンドの意味まとめ
『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』で話題になった赤魚・単三電池・しるこサンドは、どれも人魚を食べた事件を連想させるアイテムです。
しるこサンドは、人魚をおびき寄せるために利用されました。
捕まった人魚は煮付けにされ、その肉を食べたヒトハとフタバは不老不死になります。
しかし2人の身体は普通ではなくなり、動くためには単三電池が必要になりました。
そして映画公開後に話題となった「赤魚の煮付け」は、作中の人魚の煮付けを連想させるため、映画を観た人には別の意味に見えてしまいます。
さらに「炭酸」と「単三」という言葉遊びまで伏線として仕込まれていました。
しるこサンド、人魚の煮付け、単三電池。
どれも単体では怖くありません。
それなのに映画を観たあとでは怖く見えてしまう。
身近でかわいいものの中に突然ブラックな要素を入れてくるところこそ、『ちいかわ』の島編が「怖すぎる」といわれる大きな理由なのではないでしょうか。

コメント