『南田南弁護士は天才肌』の主人公・南田南には、幼い頃から塩むすびしか食べなかったという設定があります。
そして南を一人で育ててきた父・南田誠が営んでいるのも、おむすび店です。
なぜ南は数ある食べ物の中でも塩むすびが好きなのでしょうか。
実は父がおむすび店を始めた理由にも、南の塩むすびへのこだわりが深く関係しています。
原作となる韓国版『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』では、主人公ウ・ヨンウが好んで食べていたのはキンパでした。
日本版の「塩むすび」は、このキンパが持っていた意味を残しながら、南と父・誠の親子関係がより分かりやすく伝わる設定になっています。
南田南はなぜ塩むすびが好き?
南田南が塩むすびを好む詳しい理由については、放送前の現時点では明らかにされていません。
公式に発表されているのは、南が「幼い頃から塩むすびしか食べなかった」ということです。
ここで気になるのが、具の入ったおむすびではなく「塩むすび」であること。
塩むすびは、ご飯と塩という非常にシンプルな食べ物です。
中に何が入っているのか分からないこともなく、食べる場所によって突然違う具材が出てくることもありません。
最初から最後まで、味や食感を予測しやすい食べ物といえます。
南にとって塩むすびは、単に「おいしいから好き」というだけではなく、安心して食べられるものなのかもしれません。
自閉スペクトラム症だから塩むすびしか食べない?
南が自閉スペクトラム症であることから、塩むすびしか食べなかったことも、その特性と関係していると考えられます。
ただし、「自閉スペクトラム症の人は偏食になる」「同じものしか食べられない」という意味ではありません。
自閉スペクトラム症の特性は人によって異なり、食べ物についても個人差があります。
その中には、味や匂い、舌触りなどに敏感だったり、慣れていない食べ物に強い抵抗を感じたりする人もいます。
南の場合は、幼い頃から食べられるものが限られており、その中でも塩むすびが安心して食べられるものだったのでしょう。
余計な具材が入っておらず、見た目も味もシンプル。
「いつ食べても同じ」という安心感が、南が塩むすびを好む理由の一つとして考えられます。
父・南田誠がおむすび店を始めた理由は南だった
南の塩むすびへのこだわりは、父・南田誠の人生にも大きな影響を与えています。
誠は、もともと弁護士を志していました。
しかし妻を亡くし、南を一人で育てることになります。
幼い南はなかなか言葉を話し始めず、呼びかけても反応することが少なかったため、誠は娘とどう向き合えばいいのか悩みながら子育てをしていました。
それでも南に最大限の愛情を注ぎ、娘が安心して生活できるように支えてきました。
そして公式の人物紹介では、「幼い頃から南が塩むすびしか食べなかったことから、おむすび店を開業」したことが明かされています。
つまり南田誠がおむすび店を営んでいるのは、たまたま料理が好きだったからでも、飲食店をやりたかったからでもありません。
娘の南が食べられるものがおむすびだったからです。
何気なく登場する父のおむすび店ですが、その背景には誠が南を育ててきた時間が詰まっています。
おむすび店は南田誠の愛情を表している
南田誠は、南のために自分の人生を大きく変えた人物です。
かつては弁護士を目指していたものの、その夢を諦め、亡くなった妻に代わって一人で南を育ててきました。
さらに、南が食べられる塩むすびから、おむすび店を始めています。
「何とか普通の食事を食べさせよう」とするのではなく、南が食べられるものを受け入れ、それを生活の中心にした。
そこには、南を自分の考える「普通」に合わせようとするのではなく、南に合わせて自分のほうが生活を変えていった父親の姿があります。
その意味では、おむすび店そのものが誠の南への愛情を象徴しているともいえるでしょう。
初出勤の日にも、南はこの店から父に見送られて弁護士としての第一歩を踏み出します。
南にとっておむすび店は、食事をする場所であるだけでなく、ずっと自分を支えてきてくれた父との大切な場所なのではないでしょうか。
韓国版ウ・ヨンウが好きなのは塩むすびではなくキンパ
原作の韓国版『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』を見た人なら、日本版の塩むすびを見て「キンパが塩むすびになったんだ」と気づいたのではないでしょうか。
韓国版でウ・ヨンウが好んで食べているのは、韓国風の海苔巻き「キンパ」です。
ヨンウは父親が営む「ウ・ヨンウキンパ」で朝食を食べてから仕事へ向かいます。
ヨンウがキンパを好む理由も、単なる好物だからではありません。
キンパは切った断面を見ることで、中にどんな具材が入っているのか確認できます。
何が入っているのか分からない料理と違って、食べる前から中身が分かるため、予想していなかった味や食感に驚かずに済みます。
ヨンウにとってキンパは、安心して食べられる食べ物なのです。
この「安心して食べられる」という意味は、日本版の塩むすびにも受け継がれていると考えられます。
なぜ日本版ではキンパが塩むすびになった?
日本版でキンパが塩むすびに置き換えられた理由について、制作側から詳しい説明は発表されていません。
ただ、日本の食文化に置き換えるのであれば、おむすびは非常に分かりやすい食べ物です。
特に「塩むすび」にしたことで、南がシンプルで予測しやすい食べ物を好むことも伝わりやすくなっています。
さらに日本版では、南が塩むすびしか食べなかったことが、父・誠がおむすび店を開いた直接の理由として設定されています。
そのため塩むすびは、単に韓国版のキンパを日本の食べ物に置き換えただけではありません。
南の食へのこだわりと、娘に寄り添って生きてきた父・誠の人生をつなぐアイテムになっています。
塩むすびは南にとって「変わらない安心」なのかも
南田南には、驚異的な記憶力や法律に関する豊富な知識がある一方、日常生活では苦手なこともあります。
初出勤の日には、動き続けるエスカレーターを前に一歩を踏み出せず、立ちすくんでしまいます。
予測できないことや、自分のタイミングだけでは対応できないことが、南にとって負担になる場面が描かれるようです。
そう考えると、塩むすびはその反対にある食べ物です。
ご飯と塩というシンプルな組み合わせで、何が入っているのか分からない不安がない。
幼い頃から食べ慣れているため、味も食感も知っています。
南にとって塩むすびは「大好物」であると同時に、変わらない安心を与えてくれる食べ物なのかもしれません。
南が塩むすび以外を食べる日は来る?
今後注目したいのは、南の食生活に変化が描かれるのかという点です。
「塩むすびしか食べない」という設定を、単純に克服すべき弱点として描く必要はありません。
南にとって安心して食べられるものなら、それを大切にすることも一つの選択です。
一方で、弁護士として働き始めた南は、これまで出会わなかった人たちと関わり、さまざまな経験をしていきます。
その中で自分から新しい食べ物に興味を持つことがあるのか。
あるいは最後まで塩むすびを変わらず好きでいるのか。
どちらであっても、南自身が選ぶことに意味があるでしょう。
父・誠にとっても、幼い頃から塩むすびを作り続けてきた時間は、娘を育ててきた時間そのものです。
まとめ
『南田南弁護士は天才肌』では、南田南が幼い頃から塩むすびしか食べなかったことが公式に明かされています。
塩むすびを好む詳しい理由はまだ発表されていませんが、シンプルで中身が予測でき、味や食感も変わりにくいことから、南にとって安心して食べられるものだと考えられます。
そして父・南田誠がおむすび店を始めたのも、南が塩むすびしか食べなかったことがきっかけでした。
韓国版のウ・ヨンウにとってのキンパと同じように、日本版の南にとって塩むすびは重要な意味を持つ食べ物になりそうです。
同時に、父のおむすび店は、南が食べられるものを大切にしながら一人で娘を育ててきた誠の愛情が形になった場所でもあります。
南が何気なく食べる一つの塩むすびにも、父と娘が二人三脚で歩いてきた時間が込められているのではないでしょうか。


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