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『ブラッサム』珠の初給料はいくら?大正時代の物価と比較

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NHK連続テレビ小説『ブラッサム』10月13日放送の第12回で、主人公・葉野珠が初めてのお給料を受け取りました。

給料袋を母・リョウに渡すと、リョウは「大金じゃ!」と大喜び。

ところが弟の守は「先生ならもっと貰えるかと思うたわ」と、少し物足りなさそうな反応を見せました。

同じお給料を見ているのに、二人の反応は正反対です。

そこで気になるのが、珠はいったいいくらもらったのかということ。

ドラマでは具体的な金額が明かされていませんが、モデルとなった宇野千代は1914年(大正3年)、代用教員として月給8円を受け取っていました。

では、この8円は現在のお金でいくらくらいなのでしょうか。

当時の実際の物価と比較すると、8円でどのくらいの買い物ができたのか、そしてリョウと守の反応が違った理由も見えてきます。

『ブラッサム』珠の初給料はいくらだった?

2026年10月13日放送の第12回では、珠が小学校の代用教員として初めての給料を受け取る場面が描かれました。

珠は給料袋を自分で使わず、そのまま母・リョウに差し出します。

リョウは驚きながらも喜び、珠が働いて得たお金を受け取りました。

一方、守は教師という職業なら、もっと多くの給料がもらえると思っていたようです。

この場面では金額をはっきり示すセリフはありません。

しかし、珠のモデルである宇野千代の経歴には、給料についての具体的な記録が残っています。

宇野千代は1914年4月、岩国高等女学校を卒業した後、川下尋常小学校の代用教員に採用されました。

当時17歳だった宇野千代の月給は8円です。

ドラマの珠も同じ1914年に代用教員となっているため、初給料は8円前後を想定している可能性が高そうです。

宇野千代の月給8円は現在の価値でいくら?

月給8円と聞くと、現在の感覚では驚くほど少なく感じますよね。

しかし、1914年の8円と現在の8円では、お金の価値がまったく違います。

大正時代のお金を現在の価値に換算する試算には、物価を基準にしたものや、賃金を基準にしたものがあります。

そのため、8円を現在の金額に置き換えると、数千円から数万円まで幅のある数字が紹介されています。

例えば、1914年の1円を現在の約4,000〜5,000円とする試算なら、8円は約3万2,000〜4万円です。

一方、異なる物価指数や賃金の基準を使えば、別の換算額になります。

つまり「月給8円=現在の4万円」と正確に決められるわけではありません。

また、1914年は第一次世界大戦が始まった年です。

大正時代の後半には物価が大きく上昇したため、大正初期と末期の1円を同じ価値として扱うこともできません。

珠のお給料を理解するには、1914年当時の物価を直接見ていくのが分かりやすいでしょう。

大正3年の8円で何が買えた?実際の物価と比較

1914年当時の物価を調べると、今とは大きく違う値段で生活用品や食料品が売られていたことが分かります。

東洋大学の研究資料には、1914年2月の埼玉県浦和町における物価が掲載されています。

その記録をもとに、当時の代表的な品物の値段をまとめました。

品物1914年の価格8円で買える量の目安
豆腐1丁1銭800丁
大根1斤1銭800斤
食パン1斤8銭100斤
石鹸1個8銭100個
牛肉ロース1斤60銭約13斤
足袋1足35銭約22足

※1914年2月の浦和町の物価をもとに計算した目安です。地域や品質によって価格は異なります。また、実際には給料の全額を一つの商品に使えるわけではありません。

当時は1円が100銭でしたから、月給8円は800銭に相当します。

豆腐1丁が1銭なら、計算上は800丁も買えることになります。

もちろん豆腐だけを買って生活するわけではありませんが、こうして見ると8円にはそれなりの購買力があったことが分かります。

お米なら約66kgも買えた?

日本人の暮らしに欠かせないお米で比較すると、さらに分かりやすくなります。

1914年2月の浦和町の物価記録では、米は1円で5升5合買えたとされています。

1升は約1.5kgですから、5升5合は約8.25kgです。

つまり、当時の1円で約8.25kgのお米が買えた計算になります。

月給8円なら、その8倍です。

8円で買えるお米は約66kg。

現在のお米の値段に置き換えると、仮に5kgが4,000円なら、66kgは約5万2,800円に相当します。

ただし、これはお米の購入量だけを基準にした比較です。

1914年の8円が、あらゆる面で現在の5万2,800円と同じ価値だったという意味ではありません。

それでも、当時の8円で相当な量のお米を購入できたことは分かりますね。

8円は家族の生活費として十分だった?

お米を約66kg買えると聞くと、かなりのお金に感じられます。

しかし、実際の暮らしには食費だけでなく、衣服や日用品、住まいにかかるお金も必要です。

家族が多ければ、その分だけ生活費も増えます。

珠が受け取ったお給料は、家計にとってありがたい収入だったとしても、それだけで家族全員が余裕を持って暮らせるほどの金額だったとは限りません。

リョウが喜んだ一方で、守が少ないと感じたのも、こうしたお金の重みの違いを表しているのかもしれません。

宇野千代は月給8円を何に使っていた?

宇野千代のお給料については、使い道も興味深いところです。

宇野千代は代用教員として働き始めた頃、初めての給料をそのまま継母に渡したと振り返っています。

継母は驚き、涙を浮かべて喜んだそうです。

この出来事は、宇野千代本人の回想を紹介した記事にも記されています。

ドラマで珠がリョウに初給料を渡す場面は、この史実とよく似ています。

さらに宇野千代は、働き始めてから化粧にも関心を持つようになりました。

月給8円のうち、約1円50銭から1円60銭を化粧代に使っていたという記録もあります。

これは月給の約19〜20%です。

給料の5分の1近くを化粧に使っていたと考えると、かなり大きな割合ですよね。

自分で働いて得たお金を、自分の好きなことに使える。

宇野千代にとって給料は、生活のためだけでなく、自分らしく生きる自由にもつながっていたのでしょう。

珠の給料はなぜ少ない?代用教員と正式な教師の違い

守は、教師ならもっと高い給料をもらえると思っていたようです。

しかし、珠が働いているのは「代用教員」という立場です。

当時の小学校には、師範学校などで教員になるための教育を受けた正規の教師と、教員不足を補うために採用された代用教員がいました。

代用教員も実際に教壇に立って授業を行いますが、資格や待遇には違いがありました。

珠は女学校を卒業した後に代用教員となったばかりです。

経験豊富な正規教員と同じ給料ではなかったとしても、不思議ではありません。

守が抱いていた「学校の先生は高い給料をもらえる」というイメージと、若い代用教員の実際の待遇には差があったのでしょう。

リョウはなぜ「大金じゃ!」と喜んだのか?

珠の初給料を見たリョウは、金額の多さに驚いたような反応を見せました。

しかし、その喜びは金額だけのものではなかったはずです。

葉野家では、父・清治が働かず、家族は経済的に不安定な生活を送っていました。

その清治も亡くなり、家族の暮らしをどう支えていくのかという問題が残されています。

そんな中で珠が教師となり、自分の力でお金を稼いできたのです。

リョウにとっては、珠が一生懸命働いて得たお金であることが何よりうれしかったのでしょう。

実際の宇野千代も、初給料を継母に渡した際、その喜ぶ姿を見て自分もうれしくなったと振り返っています。

ドラマのリョウの反応には、こうした宇野千代の体験が反映されていると考えられます。

珠が初給料を母に渡した意味とは?

珠は初めて受け取った給料を、自分の買い物に使うのではなく、母・リョウに渡しました。

それは、家族の暮らしを支えたいという気持ちの表れだったのでしょう。

珠は父が決めた相手と結婚しましたが、わずか3日で家を飛び出しました。

その後、女学校を卒業して教師となり、自分で働く道を選んでいます。

初給料を手にした珠は、もう家族に守られるだけの少女ではありません。

自分の力で収入を得て、家族を支える側にもなったのです。

また、宇野千代が後に化粧代へ給料を使うようになった史実を考えると、お金を稼ぐことは、女性が自分の生き方を選ぶための第一歩でもあったと感じられます。

まとめ|珠の初給料は8円前後?当時のお米約66kg分の価値

『ブラッサム』第12回で珠が受け取った初給料は、具体的な金額が明かされませんでした。

しかし、モデルとなった宇野千代は1914年、17歳で代用教員になった際に月給8円を受け取っています。

珠の年齢や仕事が宇野千代の経歴と重なることから、ドラマでも8円前後を想定している可能性があります。

1914年当時の物価と比較すると、8円はお米約66kgを購入できる金額でした。

現在の価値に正確に換算することは難しいものの、決して何も買えないような少額ではなかったことが分かります。

リョウが「大金じゃ!」と喜んだのは、珠が家族のために働いてくれたことがうれしかったからでしょう。

一方、守は教師という仕事に対して、もっと高い給料を想像していたようです。

初給料の場面は、珠が家族に支えられる立場から、家族を支える立場へ成長したことを感じさせる場面でもありました。

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