NHK連続テレビ小説『ブラッサム』に登場する木村保(きむら・たもつ)。金子大地さんが演じる保は、主人公・珠のいとこであり、最初の夫・亨一の弟でもあります。
学業優秀で将来有望。それなのに少しも偉そうにせず、いつも相手の気持ちを考えている保さん。
珠がどんな選択をしても、まずはその思いを受け止めようとする姿が素敵ですよね。
兄の亨一とは対照的な誠実さもあり、登場するたびに保さんの魅力が増しているように感じます。
ただ、そんな保にも、少し優柔不断で不器用なところがあります。完璧な男性ではないからこそ、親しみを感じるのかもしれません。
今回は、保がかっこいいと感じる理由を、珠との関係や学歴、性格から紹介します。さらに、左良太の登場で変わり始めた二人の関係や、保のモデルとなった藤村忠の史実から今後を考察します。
『ブラッサム』保がかっこいい!魅力は相手を思いやる優しさ
保の一番の魅力は、相手の気持ちを大切にできるところではないでしょうか。
その優しさがよく分かるのが、珠と兄・亨一の結婚をめぐる場面です。
兄・亨一との結婚で傷ついた珠を気遣う
珠が木村家に嫁いだとき、夫となった亨一は珠にほとんど関心を示しませんでした。
祝言の席でも珠と目を合わせようとせず、二人の結婚生活は最初からぎくしゃくしていました。
そんな珠の様子を気にかけていたのが保です。
保は、兄に以前から親しくしている女性がいることを珠に打ち明け、兄の態度について申し訳なさそうにしていました。
自分が悪いわけではないのに、珠が傷ついていることを気にしているのです。
家の都合で決まった結婚だから仕方がないと考えるのではなく、珠自身の気持ちに目を向けているところに、保の誠実さが表れています。
珠が家を飛び出したときも、その決断を認めた
亨一との結婚生活に耐えられなくなった珠は、木村家を飛び出します。
当時、嫁いだ女性が自分の意思で婚家を出ることは、簡単な決断ではありませんでした。
それでも保は、走り去る珠を見送りながら、その選択を肯定する言葉をつぶやきます。
珠を引き止めたり、家の体面を守るよう説得したりしなかったのです。
保は、珠が無理をして木村家にとどまるより、自分の気持ちに従って生きることを望んでいたのでしょう。
相手の幸せを考え、自分の価値観を押しつけない。
この姿勢こそ、保が魅力的に映る大きな理由だと思います。
保はエリートなのに偉そうにしない!学歴と将来性も魅力
保は、京都の第三高等学校に通っていた秀才です。
その後、東京の大学へ進学し、珠とともに本郷で暮らすようになります。
現在の感覚では大学に通うことは珍しくありませんが、大正時代の高等教育は限られた人しか受けられませんでした。
第三高等学校は当時の難関校
保が通っていた第三高等学校、通称「三高」は、現在の京都大学につながる歴史を持つ旧制高等学校です。
旧制高等学校は、帝国大学などへの進学を目指す学生が学ぶ教育機関でした。
入学には高い学力が求められ、卒業生の多くが官僚や研究者、企業の幹部などを目指しました。
保は、そんな学校で学んでいたのです。
さらに東京で大学生活を送っていることからも、学業面で優秀な青年であることが分かります。
学歴を自慢しない自然体な性格
保の素敵なところは、優秀であることを鼻にかけない点です。
珠と話すときも、難しい言葉を並べて知識をひけらかしたり、相手を見下したりしません。
むしろ、珠の話を楽しそうに聞き、ときには少しとぼけたような反応を見せます。
自分が優れていることを周囲に認めさせようとしないため、珠も保の前では自然体でいられるのでしょう。
学歴や将来性だけでなく、人柄まで魅力的なのが保さんです。
珠が保と一緒にいると自然体でいられる理由
保と珠の関係が深まったのは、珠が岩国で仕事を失い、つらい時期を過ごしていたころでした。
夏休みで帰省した保と再会した珠は、保が岩国に滞在している間、毎日のように会って話をします。
珠にとって、保と過ごす時間は気持ちが安らぐひとときになっていました。
珠の話を否定せずに聞いてくれる
珠は、自分の考えを持ち、思ったことを行動に移す女性です。
その一方で、周囲から理解されず、恋愛の噂によって仕事まで失ってしまいました。
そんな珠にとって、自分の話を否定せずに聞いてくれる保の存在は大きかったはずです。
保は珠を無理に変えようとしません。
珠が自分の気持ちを話せる相手であることが、二人の距離を縮めていったのでしょう。
離れてからも続いた手紙のやり取り
保が京都に戻った後も、二人は手紙のやり取りを続けます。
当時は、今のように気軽に電話やメッセージで連絡できる時代ではありません。
手紙を書くには、相手に伝えたいことを考え、時間をかけて言葉にする必要があります。
離れていても交流を続けたことから、珠と保が互いを大切に思うようになっていたことがうかがえます。
保の優しさは、派手な言葉や行動ではなく、こうした日々の積み重ねにも表れています。
優しいだけではない!保の少し不器用なところも魅力
ここまで見ると、保は非の打ちどころのない好青年に思えます。
しかし、実際には少し優柔不断で、どこか抜けたところもあります。
制作統括の村山峻平さんも、保について、優しくて人の言葉を否定しない一方、決めきれないところがある人物だと説明しています。
この不器用さが、珠とのやり取りに独特の面白さを生んでいるのです。
保の優しさが裏目に出ることも?
相手を尊重することと、自分の意思をはっきり示すことは、必ずしも同じではありません。
保は珠の気持ちを大切にするあまり、自分の思いを伝えるタイミングを逃してしまうこともありそうです。
また、制作統括のコメントでは、保自身の行動が珠を巻き込んでしまう面もあると示唆されています。
今は頼もしく見える保ですが、今後はその弱さや迷いも描かれていくのでしょう。
ただ、そうした欠点があるからこそ、保は人間味のある人物として感じられます。
左良太の登場で保は嫉妬する?珠への気持ちに変化
東京での生活が始まり、珠は西洋料理店「悠樂軒」で働くようになります。
そこで出会ったのが、小説家を目指す青年・左良太です。
左は珠と同じく文学に関心があり、二人は創作について話すようになります。
珠と左良太の親しげな姿を目撃
10月30日放送の第25回では、珠が自作の小説を黒崎編集長に酷評され、落ち込んでしまいます。
そんな珠を励ますのが左良太です。
左は、厳しい評価を受けたことよりも、自分の作品を編集長に読んでもらった珠の勇気を称賛します。
珠もその言葉に励まされ、再び小説を書こうという気持ちを取り戻します。
ところが、二人が親しげに話しているところを、珠の帰りを心配して迎えに来た保が目撃してしまうのです。
保にとっては、少し複雑な場面だったのではないでしょうか。
保は珠の文学への情熱を理解できる?
保は学業優秀で、珠の話をよく聞いてくれる青年です。
しかし、左良太は珠と同じく小説家を目指しており、文学への情熱を直接分かち合える相手でもあります。
珠が左と楽しそうに話している姿を見て、保が何を感じるのか気になります。
これまでの保なら、珠の交友関係を頭ごなしに否定することはなさそうです。
それでも、好きな女性が別の男性と親しくしていれば、不安や嫉妬を感じることもあるでしょう。
保が自分の気持ちとどう向き合うのか、二人の関係が変わるきっかけになるかもしれません。
保のモデル・藤村忠はどんな男性だった?
木村保のモデルと考えられるのが、宇野千代の2番目の夫・藤村忠です。
藤村忠は、宇野千代が最初に結婚した藤村亮一の弟でした。
この関係は、ドラマの保が珠の最初の夫・亨一の弟であることと重なります。
また、忠は京都で旧制高等学校に通い、その後、東京帝国大学へ進んだ人物です。
保が優秀な学生として描かれているのも、藤村忠の経歴を参考にした設定と考えられます。
宇野千代と藤村忠は一緒に東京で暮らしていた
宇野千代と藤村忠は、京都で親しくなった後、東京で生活をともにするようになります。
当時、結婚していない男女が一緒に暮らすことには厳しい目が向けられていました。
そのため、二人は周囲に兄妹と偽って同居していたこともあります。
ドラマで珠と保が下宿「三好」の大家に兄妹だと説明している設定は、この史実と重なっています。
ただし、藤村忠本人の性格について、ドラマの保とまったく同じだったと考えることはできません。
保の思いやりや少し不器用な性格は、ドラマならではの人物造形として楽しみたいところです。
保と珠の今後は?結婚して北海道へ向かう可能性
保と珠の今後を考えるうえで、参考になるのが宇野千代と藤村忠の史実です。
宇野千代は1919年(大正8年)に藤村忠と結婚しました。
その後、忠は北海道拓殖銀行に就職し、二人は札幌へ移り住みます。
ドラマでも保と珠が結婚し、北海道で新しい生活を始める展開が考えられます。
エリートの保はどんな仕事に就く?
保は旧制高等学校から大学へ進んだ優秀な学生です。
当時の大学卒業者には、官公庁や銀行、大企業などで働く道が開かれていました。
モデルとなった藤村忠が北海道拓殖銀行に就職したことから、ドラマの保も金融機関などに勤める可能性があります。
ただし、保が実際にどのような職業を選ぶのかは、今後の放送で明らかになる部分です。
札幌で珠は小説家への一歩を踏み出す
宇野千代の人生では、札幌での生活が大きな転機になりました。
1921年(大正10年)、千代が書いた短編小説『脂粉の顔』が新聞の懸賞小説で一等に入選したのです。
賞金は200円。当時としては大きな金額でした。
この入選が、宇野千代が本格的に小説家を目指すきっかけになります。
ドラマでも珠が札幌へ向かうなら、保との暮らしの中で作家への道を切り開いていく姿が描かれるかもしれません。
二人の結婚生活はずっと続く?
実際の宇野千代と藤村忠の結婚生活は、長く続いたわけではありません。
宇野千代顕彰会の年譜によると、二人は1924年(大正13年)に協議離婚しています。
宇野千代はその後、作家の尾崎士郎と結婚しました。
『ブラッサム』は宇野千代の人生をもとにしたフィクションなので、珠と保が史実と同じ道をたどるとは限りません。
保さんが好きな視聴者としては、できるだけ長く珠のそばにいてほしいところですが、二人がどんな未来を選ぶのか見守りたいですね。
保を演じる金子大地の自然な演技も魅力
保の魅力を語るうえで欠かせないのが、金子大地さんの演技です。
保は、強い言葉で相手を引っ張るタイプの男性ではありません。
相手の様子を見ながら、自然に寄り添う人物です。
そのため、言葉だけでなく、視線や表情の変化が大切になります。
例えば、珠が亨一との結婚で傷ついているときの気遣いや、珠が自分の意思で家を出たときの表情。
大げさに感情を表さなくても、珠を思う気持ちが伝わってきます。
制作統括の村山峻平さんも、保の優しさと優柔不断さが同居する難しい役柄を、金子さんがうまく演じていると評価しています。
少しとぼけたところがあるのに、いざというときには誠実さが伝わる。
そんな保の魅力は、金子大地さんの自然な演技によって、さらに引き立っているのではないでしょうか。
まとめ
『ブラッサム』の木村保は、学業優秀で将来有望な青年です。
しかし、保の一番の魅力は、立派な学歴よりも、相手を思いやる優しい人柄にあると思います。
珠が傷ついているときには気遣い、自分の意思で行動するときには、その選択を尊重する。
優秀なのに偉そうにせず、珠と自然体で向き合えるところも素敵です。
一方で、少し優柔不断で不器用な面もあり、これからは左良太の登場によって、保自身の気持ちが揺れ動くかもしれません。
モデルとなった藤村忠の史実では、宇野千代と結婚し、札幌で生活を始めています。
ドラマでも珠と保がどのような未来を選ぶのか、注目したいところです。
相手を大切にできる保さんだからこそ、幸せになってほしいですね。
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