ディズニー映画『ホーンテッドマンション』にも登場する、館の最も有名な亡霊の一人、花嫁。特に、アトラクションの屋根裏部屋で見せるその姿は、多くのゲストに恐怖を与えてきました。
一見、純粋な愛を求めるかのようなウェディングドレス姿の彼女ですが、アトラクションの裏設定では、その名はコンスタンス・ハッチウェイ(Constance Hatchaway)とされ、恐ろしい「連続殺人鬼」であったことが示されています。なぜ彼女は、愛の象徴であるはずの結婚を、殺人の道具としてしまったのでしょうか?その悲劇的な過去を考察します。
花嫁の正体:コンスタンス・ハッチウェイの数奇な人生
コンスタンスの裏設定で語られるのは、彼女が5人の裕福な夫と結婚し、それぞれから多額の財産を相続した後、彼らを次々と殺害したという恐ろしい物語です。
- 愛ではなく「財産」への執着: 若くして孤児となった、あるいは貧しい境遇にあったという裏設定も囁かれるコンスタンスにとって、結婚は「愛」ではなく「富」を得るための手段でした。彼女は、結婚生活の甘い期間が終わると、夫たちを斧で惨殺し、財産を独り占めしてきました。
- アトラクションのヒント: アトラクションの屋根裏部屋では、彼女が持つウェディングブーケや、夫たちの肖像画の首元から斧の痕が見えるようになっています。また、夫たちからもらったはずの結婚のプレゼント(真珠や指輪など)が、次々と血痕に染まっているのも、この連鎖的な殺人を示唆しています。
悲劇の裏側:「永遠の愛」を求められなかった未練
なぜ彼女は、何度も愛を誓いながら裏切るという、悲劇の連鎖を繰り返したのでしょうか?彼女の行動の根底には、満たされることのなかった「愛への渇望」があったと考察されます。
- 結婚への理想と現実の乖離: 彼女は純粋な愛と幸福な家庭を夢見て結婚したかもしれません。しかし、現実は裏切りや失望の連続であり、彼女は「お金こそが唯一裏切らないもの」だと絶望的に信じるようになった可能性があります。
- 「永遠の花嫁」としての未練: 彼女が亡霊となってもウェディングドレス姿にこだわるのは、「結婚式こそが、自分が最も輝き、愛と富を得られる瞬間」だと信じていたからです。彼女の未練は「本当の愛を得られないまま、結婚という虚飾に囚われ続けた」という、人生そのものの悲劇を象徴しています。
映画版とアトラクション版の描写の違い
- アトラクション版: コンスタンスは、ゲストに対して斧を振り上げ、殺人鬼としての恐ろしさを前面に出します。彼女の目的は自身の「富」という未練に囚われ続けることです。
- 映画版: 映画では、コンスタンスの設定はアトラクションのオマージュとして使われましたが、物語の主要なヴィラン(ハットボックスゴースト)とは異なり、彼女の殺人鬼としての背景は強くは掘り下げられませんでした。これは、映画が「悲しみの克服」というより普遍的なテーマに焦点を当てたため、殺人という特定の描写を避けたためと考えられます。
まとめ
ホーンテッドマンションの花嫁コンスタンス・ハッチウェイは、愛の象徴と殺人という恐ろしい現実が混在する、最も複雑で悲劇的なキャラクターです。
彼女が持つ「血まみれの斧」は、単なるホラーの道具ではなく、満たされなかった愛と、財産への執着によって狂ってしまった一人の女性の、悲しくも恐ろしい人生の証なのです。
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