『マレフィセント』アニメ版とは別物?3つの決定的な違いを徹底比較

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ディズニー映画『マレフィセント』は、アニメ版『眠れる森の美女』の物語を、悪役の視点から描いたことで大きな話題となりました。しかし、この作品は単なるスピンオフやリメイクではありません。物語の根幹をなす要素において、アニメ版とは全く異なる、3つの決定的な違いが存在します。

この記事では、実写版とアニメ版を比較し、その違いが物語に与えた影響を徹底的に考察します。


違いその1:マレフィセントは「悪の象徴」から「悲劇のヒロイン」へ

  • アニメ版: アニメ版のマレフィセントは、まさに「悪の象徴」として描かれています。彼女は、王女の洗礼式に招待されなかったという些細な理由で、オーロラ姫に死の呪いをかける冷酷な存在です。彼女の行動に同情の余地はなく、純粋な悪として描かれています。
  • 実写版: 実写版では、マレフィセントの行動に明確な理由が与えられます。彼女は、かつて愛した人間の青年ステファンに、力の源である「翼」を裏切って奪われたことで、心を閉ざし、人間への深い憎しみを抱くようになります。彼女の「呪い」は、単なる腹いせではなく、愛する人に裏切られた深い悲しみと絶望から生まれたものなのです。

違いその2:呪いの動機が「憎しみ」から「絶望」へ

  • アニメ版: 呪いの動機は、招待されなかったことへの「個人的な怒り」と「嫉妬」です。彼女の呪いは、復讐の念に満ちています。
  • 実写版: 呪いの動機は、「真実の愛など存在しない」という絶望的な信念です。ステファンに裏切られたことで、愛を信じられなくなったマレフィセントは、呪いという形でオーロラ姫に「愛の存在しない世界」を突きつけます。

違いその3:「真実の愛」の定義が完全に覆された

  • アニメ版: 呪いを解くのは、運命の相手であるフィリップ王子との「真実の愛のキス」でした。これは、ロマンチックな恋愛こそが究極の愛であるという、古典的なおとぎ話のセオリーに基づいています。
  • 実写版: フィリップ王子のキスでは呪いは解けません。代わりに、呪いを解いたのは、マレフィセントがオーロラ姫に注いだ「母性的な愛」から生まれたキスでした。この物語は、血の繋がりや恋愛関係だけが愛の全てではないことを示し、愛の多様性や新しい家族のあり方を描いています。

まとめ:『マレフィセント』は現代に語りかける「愛」の物語

実写版『マレフィセント』は、アニメ版の物語を単にリメイクするのではなく、「悪」の定義や「真実の愛」のあり方を現代的な視点から問い直した、非常に革新的な作品です。

この3つの決定的な違いを知ることで、私たちは、この作品が現代社会が抱えるテーマを深く掘り下げた、単なるファンタジーではない、奥深い傑作であることに気づかされるでしょう。

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