『ホーンテッドマンション』の魅力は、ディズニーランドのアトラクションの要素が随所に散りばめられている点にあります。
しかし、映画とアトラクションでは亡霊たちの「裏設定」や「正体」が微妙に異なっていたり、より詳細に描かれていたりします。今回はアトラクションファンが特に気になる、映画と原作の設定の違いを徹底比較します。
最恐の住人:花嫁「コンスタンス・ハッチウェイ」
アトラクション版の「ホーンテッドマンション」で最も有名で恐ろしい亡霊の一人が、斧を持った花嫁です。アトラクションの裏設定では、彼女は「コンスタンス・ハッチウェイ」*という名を持ち、歴代の夫を次々と殺害してきた過去が語られています。
- アトラクションでの設定: 結婚するたびに夫を斧で殺害し、その遺産を独り占めしてきた恐ろしい女性。彼女が持つウェディングブーケや首筋には、その恐ろしい過去を象徴する要素が隠されています。
- 映画版(2023)での描写: 映画では、アトラクションの要素を取り入れつつも、**主要な物語の鍵となるのは別のキャラクター(ハットボックスゴースト)**です。コンスタンスの物語は、アトラクションの雰囲気を盛り上げる要素として登場しますが、その詳細な殺人鬼としての設定は、映画の核とは異なります。
999人のリーダー:ハットボックスゴースト(ハットをかぶった亡霊)
映画版(2023)において、物語の元凶として登場するのが紳士的な装いのハットボックスゴーストです。この亡霊こそ、アトラクションファンが歓喜した「幻のゴースト」の復活でした。
- アトラクションでの設定(初期・幻の存在): 彼はアトラクションのオープン直後(1969年)にごく短期間だけ存在した亡霊でした。彼の特徴は、頭上の帽子と手元の箱の間で、頭が消えたり現れたりするという特殊なギミックです。技術的な問題ですぐに撤去され、「幻の亡霊」として伝説となっていました。
- 映画版(2023)での役割: 映画では、この幻のゴーストが「館に住む亡霊たちのリーダー格」として、主人公たちを苦しめる主要なヴィランとして明確に描かれました。彼の復活と主要な役割は、アトラクションへの最大限の敬意とサプライズでした。
館の案内人:ゴーストホストとベン(主人公)
アトラクションでは、ゲストを「冥界の館」へと案内する語り部としてゴーストホストが登場します。映画版の主人公ベン(ラキース・スタンフィールド)は、このゴーストホストの設定と、どこか重なる部分があります。
- アトラクションのゴーストホスト: ゲストを館に閉じ込めようと誘う、皮肉屋でユーモアのある案内役。最後の部屋でゲストに**「永遠の住人になるよう」**促します。
- 映画の主人公ベン: 元は科学者であり、妻を失った悲しみから立ち直れずにいます。彼は、館の住人たちから「悲しみに囚われた者」として共感を寄せられます。インディの妻マリオンと同様に、映画は「悲しみの克服」というテーマで館の亡霊たちと生きている人間を結びつけています。
まとめ:映画が描く「裏設定」の再解釈
映画『ホーンテッドマンション』は、アトラクションの細部に隠された「裏設定」を拾い上げつつ、単なるホラーではなく、「悲しみを抱えた人間が、亡霊たちとの交流を通じて再生する」という新しい物語として再解釈しました。
亡霊たちの設定の違いを比較することで、映画をより深く多角的に楽しむことができるでしょう。
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