『となりのトトロ』には、思わず食べたくなるような食べ物がたくさん登場します。
サツキが朝早く起きて作るお弁当。
おばあちゃんの畑で採れたキュウリやトマト。
そして、メイがお母さんへ届けようとした大きなとうもろこし。
豪華な料理ではありませんが、どれも昭和の暮らしを感じさせる素朴なものばかりです。
ところで、
「サツキのお弁当には何が入っていた?」
「草壁家はどんな朝ごはんを食べている?」
「トトロ自身は何を食べているの?」
と気になったことはありませんか?
今回は、『となりのトトロ』に登場する食べ物をまとめながら、サツキやメイ、お父さんが食べているもの、さらに謎の多い「トトロの好物」についても掘り下げます。
となりのトトロに登場する食べ物一覧
まず、映画の中で印象的に登場する食べ物を整理してみましょう。
代表的なのは、
・サツキが作るお弁当
・草壁家の朝ごはん
・おばあちゃんの家のおはぎ
・キュウリ
・トマト
・とうもろこし
・ナス
・引っ越しのときに食べていたキャラメル
などです。
実際、作品から生まれた料理絵本『子どもりょうり絵本 ジブリの食卓 となりのトトロ』でも、「引っ越しの日のキャラメル」「おばあちゃんちのおはぎ」「サツキが作ったお弁当」「朝ごはんのみそしる」が作中に登場する料理として紹介されています。
こうして並べてみると、特別なごちそうよりも、当時の家庭で食べられていた日常的な食事が中心なのがわかります。
サツキが作ったお弁当の中身は?
『となりのトトロ』の食べ物で特に有名なのが、サツキが作るお弁当です。
お母さんが入院している草壁家では、まだ小学生のサツキが早起きをして家事をしています。
お父さんや自分のお弁当まで手際よく用意する姿に、
「サツキ、すごすぎる……」
と思った人も多いのではないでしょうか。
サツキのお弁当には何が入っている?
サツキのお弁当は、白いご飯を中心としたとてもシンプルなものです。
見た目から確認できる代表的なおかずとして、
・めざしのような小魚
・梅干し
・桜でんぶ
・緑色の豆
などが入っています。
現在のお弁当と比べると、かなり質素に見えるかもしれません。
しかし、舞台となった1950年代の日本を考えると、白いご飯に魚や豆、梅干しを合わせたお弁当は、当時らしさを感じさせる内容です。
ピンク色の桜でんぶと緑色の豆が入っているため、シンプルながら彩りも考えられています。
お父さんのお弁当もサツキが作っている
サツキが作っているのは、自分のお弁当だけではありません。
お父さんの分も一緒に用意しています。
お母さんが入院しているため、草壁家ではサツキが家事の一部を担っています。
まだ小学生なのに、朝ごはんを準備して、お弁当を作り、さらにメイの面倒まで見る。
サツキのお弁当は単なる「おいしそうなジブリ飯」ではなく、お母さんが不在の草壁家の日常を表す食べ物でもあるのです。
草壁家の朝ごはんは何を食べている?
草壁家の朝食も、とても日本らしいものです。
特に印象的なのが味噌汁。
『ジブリの食卓 となりのトトロ』でも「朝ごはんのみそしる」が作中料理として取り上げられています。
現在のようにパンやシリアルではなく、ご飯と味噌汁を中心にした和食。
お父さん、サツキ、メイが食卓を囲む場面からも、1950年代の家庭の日常を感じることができます。
豪華な料理を並べなくても、炊きたてのご飯と温かい味噌汁がある。
『となりのトトロ』の食事がおいしそうに見えるのは、料理そのものだけでなく、家族で食卓を囲む雰囲気まで丁寧に描かれているからなのかもしれません。
引っ越しの日に食べていたのはキャラメル
物語の冒頭、草壁家が新しい家へ向かう場面にも食べ物が登場します。
それがキャラメルです。
荷物を満載したオート三輪で移動しながら食べています。
今ではコンビニやスーパーで簡単に買えるお菓子ですが、昭和の時代を描いた作品にキャラメルが登場すると、それだけでどこか懐かしい雰囲気があります。
『ジブリの食卓 となりのトトロ』にも「引っ越しの日のキャラメル」として取り上げられている、作品序盤の小さな「ジブリ飯」です。
おばあちゃんが持ってきた「おはぎ」
草壁家が引っ越してきた日には、おばあちゃんが食べ物を持ってきてくれます。
それがおはぎです。
引っ越し当日は荷物を運んだり掃除をしたりと大忙し。
そんな草壁家へ食べ物を持ってきてくれるところにも、おばあちゃんの優しさが表れています。
カンタのおばあちゃんは、その後もサツキやメイを何かと気にかけてくれる存在です。
食べ物を通して近所の人同士が助け合う。
おはぎの場面にも、『となりのトトロ』で描かれる昔ながらの地域のつながりが表れているように感じられます。
おばあちゃんの畑の夏野菜がおいしそう!
『となりのトトロ』の食べ物で、お弁当と並んで印象的なのがおばあちゃんの畑です。
夏の畑には、
・キュウリ
・トマト
・とうもろこし
・ナス
などが実っています。
しかも、採れたての野菜を冷たい水で冷やして食べます。
メイが丸かじりするキュウリ
特においしそうなのがキュウリです。
冷たい水で冷やした採れたてのキュウリを、メイたちが豪快にかじります。
現在ならドレッシングやマヨネーズなどをつけたくなるところですが、採れたてだからこそ、そのまま食べてもおいしかったのでしょう。
畑で採る。
水で冷やす。
そのまま食べる。
非常にシンプルですが、夏の田舎だからこそできる最高のおやつにも見えます。
「甘い!」と驚くおばあちゃんの畑の野菜
畑の野菜を食べたサツキたちは、そのおいしさに驚きます。
そして、おばあちゃんは畑の野菜について、お天道さまをいっぱい浴びているから体にもいいという趣旨の話をします。
さらに、
「ばあちゃんの畑のもんを食べりゃ、すぐ元気になっちゃうよ」
と話します。
この言葉をメイはしっかり覚えていました。
だからこそ、お母さんの体調が悪くなったと知ったとき、
「とうもろこしを食べてもらえば、お母さんも元気になる」
と考えたのでしょう。
『となりのトトロ』では、食べ物が単に「おいしいもの」としてではなく、家族の健康を願う気持ちとも結びついています。
メイがお母さんに選んだのはとうもろこし
畑にはいろいろな野菜があるのに、メイがお母さんに選んだのは大きなとうもろこしでした。
大切そうに抱え、
「お母さんにあげる」
と決めます。
そして、お母さんの帰宅が延期されたことを知ると、そのとうもろこしを抱えたまま一人で病院へ向かいます。
メイにとってあの一本は、単なる野菜ではありません。
「これを食べればお母さんが元気になる」
と信じた特別なとうもろこしだったのでしょう。
物語の最後に「おかあさんへ」と書かれたとうもろこしが病室に届けられるのも、『となりのトトロ』を代表する食べ物の場面です。
1950年代のとうもろこしは甘かった?
ここで少し気になるのが、作中で野菜を食べたときの「甘い!」という反応です。
『となりのトトロ』の舞台とされる1950年代には、日本でもすでに甘味種のとうもろこし(スイートコーン)が栽培されていました。
そのため、おばあちゃんの畑にあったとうもろこしも、当時栽培・流通していた甘味のある食用品種だった可能性があります。
もちろん映画では品種名までは設定されていません。
それでも、現在の私たちと同じように、サツキやメイも夏に甘いとうもろこしを楽しんでいたのかもしれないと思うと、少し身近に感じられますね。
トトロは何を食べる?好きな食べ物は?
ここからは、人間ではなくトトロの食べ物について見てみましょう。
これだけ大きな体をしたトトロ。
「一体、何を食べてあの体を維持しているの?」
と考えると、かなり気になります。
ところが映画本編では、大トトロが食事をしている場面は描かれていません。
そのため、「トトロの好物は○○」と特定することはできません。
ただし、トトロと食べ物を考えるヒントになりそうなものは登場します。
トトロと「木の実」は深い関係がある
トトロたちは木の実を持っています。
サツキとメイがトトロからもらう包みの中にも、ドングリなどの木の実が入っています。
また、小トトロたちも木の実を運んでいます。
このため、
「トトロはドングリを食べるのでは?」
と思う人もいるでしょう。
ただ、映画ではトトロが実際にドングリを食べる場面はありません。
木の実は食料ではなく、森に植えて育てるために集めている可能性もあります。
実際、サツキとメイが庭に埋めた木の実を、トトロたちは不思議な力で芽吹かせています。
そのため、「トトロの好物=ドングリ」と断定するより、「トトロはドングリなどの木の実と深い関わりを持つ」と考えるほうが自然です。
トトロは木の実を食べて暮らしている?
ここからは想像すると楽しい部分です。
大トトロは森の奥に住んでいます。
しかも、人間の家へ食べ物を取りに来るような描写はありません。
だとすると、森の中にあるものを食べて暮らしている可能性はありそうです。
ドングリや木の実、果実などを食べているのでしょうか。
あるいは、人間や普通の動物とはまったく違う存在なので、そもそも同じように食事を必要としないのかもしれません。
映画では答えが示されていないからこそ、
「あの巨大なトトロは普段何を食べているんだろう?」
と想像してみるのも面白いところです。
トトロの食べ物が「豪華ではない」のも魅力
『となりのトトロ』に登場する食事を改めて並べると、驚くほど素朴です。
ご飯
味噌汁
小魚
梅干し
豆
おはぎ
キュウリ
トマト
とうもろこし
どれも高級な食材ではありません。
しかし、なぜかとてもおいしそうに見えます。
それは採れたての野菜を水で冷やして食べたり、サツキが家族のために朝早く起きてお弁当を作ったりと、食べ物と一緒に「暮らし」が描かれているからではないでしょうか。
おばあちゃんの畑で採れた野菜を食べる。
家族のためにお弁当を作る。
病気のお母さんにとうもろこしを届ける。
『となりのトトロ』では、食べ物が人と人をつなぐものとして何度も登場しています。
まとめ
『となりのトトロ』に登場する食べ物について紹介しました。
作品には
・サツキが作るお弁当
・朝ごはんの味噌汁
・引っ越しの日のキャラメル
・おばあちゃんのおはぎ
・キュウリ
・トマト
・とうもろこし
・ナス
など、昭和の暮らしを感じさせる食べ物が登場します。
中でも印象的なのが、サツキのお弁当と、おばあちゃんの畑で採れる夏野菜です。
豪華ではありませんが、家族のために作ったお弁当や、太陽を浴びて育った採れたての野菜だからこそ、とてもおいしそうに見えます。
そしてトトロについては、映画では食事をする姿が描かれていないため、好きな食べ物はわかりません。
ドングリなどの木の実と深い関わりがありますが、実際に食べているとは限らず、木を育てるために集めている可能性もあります。
『となりのトトロ』に登場する食べ物は、単なる「ジブリ飯」ではありません。
サツキが家族を支える気持ち、おばあちゃんの優しさ、そしてメイがお母さんを元気にしたいと願う気持ち。
素朴な食べ物のひとつひとつに、登場人物たちの暮らしや家族への思いが込められているところも、『となりのトトロ』の食事がおいしそうに見える理由なのかもしれません。
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