『となりのトトロ』で、さつきとメイの隣に住んでいる少年・カンタ。
少しぶっきらぼうですが、雨の日にはさつきに傘を貸したり、メイが迷子になったときには一生懸命探したりと、本当はとても優しい男の子です。
そんなカンタについて、映画を見ていると気になることがあります。
「カンタの両親って誰?」
「いつも一緒にいるおばあちゃんがお母さん代わりなの?」
「カンタのお父さんは登場していた?」
という家族関係です。
結論からいうと、カンタには母親がおり、映画にも登場しています。そして、いつもさつきやメイを助けてくれるおばあちゃんはカンタの祖母です。
一方、父親については映画の中で目立った描写がなく、名前や職業なども明らかになっていません。
今回は、意外とわかりにくいカンタの両親や、おばあちゃんとの関係について詳しく見ていきます。
カンタの両親は?
カンタの本名は大垣勘太(おおがき かんた)。
さつきと同じ学校に通う少年で、草壁家の新居の近くに住んでいます。
映画ではカンタがおばあちゃんと一緒にいる場面が多いため、
「おばあちゃんと2人暮らしなのかな?」
と思った人もいるかもしれません。
しかし、カンタには母親がいます。
カンタのお母さんは映画にも登場している
カンタのお母さんは、映画の中にきちんと登場しています。
印象的なのが、雨の日の場面です。
学校から帰る途中、さつきとメイは雨に降られてしまいます。
そこへカンタが現れ、自分の傘をさつきたちに貸してくれます。
しかし照れくさいのか、カンタは傘を渡すと自分は雨の中を走って帰ってしまいます。
家に帰ったカンタは、傘について母親から聞かれます。
カンタは「忘れた」といった趣旨の言い訳をしますが、お母さんには叱られてしまいます。
つまりカンタは、おばあちゃんだけに育てられているわけではなく、母親と一緒に生活していることが映画からわかります。
カンタのおばあちゃんは本当のおばあちゃん?
さつきとメイからも「おばあちゃん」と呼ばれている女性。
草壁家が引っ越してきたときから何かと世話を焼いてくれるため、
「近所のおばあちゃんなの?」
と思う人もいるかもしれません。
このおばあちゃんは、カンタの祖母です。
カンタの家族の一員であり、草壁家の近所に暮らしています。
草壁家が引っ越してきた古い家についてもよく知っており、引っ越し当日には掃除などを手伝っています。
さらに、さつきとメイに畑の野菜を食べさせたり、お母さんの帰宅が延期されたときには姉妹を預かったりと、草壁家にとっても頼れる存在になっていきます。
なぜカンタはおばあちゃんと一緒にいる場面が多い?
母親がいるにもかかわらず、「カンタの家族」と聞くとおばあちゃんを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
これは単純に、映画の中でおばあちゃんの登場場面が非常に多いからです。
おばあちゃんは畑仕事をしながら、さつきやメイの生活にも深く関わっています。
草壁家の引っ越しを手伝う。
メイを預かる。
畑で野菜を一緒に収穫する。
迷子になったメイを心配して探す。
物語の重要な場面に何度も登場します。
一方、カンタのお母さんは登場するものの、物語の中心人物ではありません。
そのため、映画を一度見ただけでは「カンタのお母さんって出てきたっけ?」となりやすいのでしょう。
カンタはおばあちゃんと両親の三世代で暮らしていた?
ここで考えたいのが、大垣家の家族構成です。
おばあちゃんとカンタだけでなく、母親も同じ生活圏にいることから、祖母・親・子どもが一緒に生活する三世代の家族だったと考えると自然です。
『となりのトトロ』の舞台は1950年代の日本。
現在よりも祖父母と子ども夫婦、孫が同じ家やすぐ近くで生活する家庭が珍しくなかった時代です。
そのため、カンタがおばあちゃんと一緒にいること自体も、特別な家庭事情として描かれているわけではないのでしょう。
むしろ、おばあちゃんが畑仕事をしながら孫のカンタや近所の子どもたちを見守る姿は、当時の農村の暮らしを感じさせる描写のひとつとも考えられます。
カンタのお父さんは登場する?
母親とおばあちゃんがいることはわかりました。
では、カンタのお父さんはどこにいるのでしょうか?
ここがカンタの家族関係で最も謎の多い部分です。
映画では、カンタの父親について目立った描写がありません。
名前や職業についても、映画のストーリーの中では語られていません。
そのため、
「亡くなっている」
「離婚している」
「家族と離れて暮らしている」
などと考える根拠もありません。
単純に、物語に必要な人物として描かれなかった可能性が高いでしょう。
父親が登場しないのはなぜ?
ここからは考察です。
『となりのトトロ』では、すべての登場人物の家族構成を詳しく説明しているわけではありません。
物語の中心にいるのは草壁家。
そしてカンタ側の人物で重要なのは、
さつきと同級生のカンタ
そして、
母親が入院している草壁家を支えてくれるおばあちゃん
です。
この2人がいれば、物語を進めるうえで大垣家の役割は十分成立します。
そのため、カンタのお父さんについて詳しい設定を説明する必要がなかったのでしょう。
登場しないからといって「父親がいない」と考える必要はありません。
カンタのお母さんよりおばあちゃんが重要人物なのには理由がある?
カンタのおばあちゃんは、単なる近所の人以上に草壁家を支えています。
これは、さつきとメイのお母さんが入院していることと深く関係しているように感じられます。
草壁家には、日常的に母親がいません。
お父さんは仕事があり、さつきはまだ小学生。
それでも、さつきは料理や掃除をし、幼いメイの面倒まで見ています。
そんな姉妹の近くにいる大人の女性が、カンタのおばあちゃんです。
メイを預かり、野菜を食べさせ、困ったときには一緒に心配してくれる。
おばあちゃんはカンタの祖母でありながら、さつきとメイにとっても「近所のおばあちゃん」のような存在になっています。
だからこそ、カンタの母親よりもおばあちゃんのほうが、物語では大きな役割を与えられているのでしょう。
カンタとおばあちゃんは似ている?
一見すると、ぶっきらぼうなカンタと優しいおばあちゃんはあまり似ていないように見えます。
しかし、行動を見ると共通点があります。
困っている人を放っておけないところです。
おばあちゃんは、引っ越してきたばかりの草壁家を当たり前のように手伝います。
一方カンタも、雨に降られて困っているさつきとメイを見ると、自分の傘を貸します。
しかも「貸してあげる」と素直には言えず、傘を押しつけるように渡して自分は濡れて帰ります。
メイが行方不明になったときも、自転車で探し回っています。
表現の仕方はまったく違いますが、
「困っている人がいたら助ける」
というところは、おばあちゃんとカンタによく似ています。
カンタの優しさは、おばあちゃんと暮らす中で自然に身についたものなのかもしれません。
カンタの家族は草壁家と対照的に描かれている?
大垣家と草壁家を比べてみるのも面白いところです。
草壁家は田舎へ引っ越してきたばかり。
お母さんは入院中で、お父さんとさつき、メイの3人で新生活を始めています。
一方、カンタの家族はその土地に以前から暮らし、おばあちゃんは畑を作り、地域のこともよく知っています。
「新しくやってきた草壁家」と「昔からそこで暮らしているカンタの家族」。
この2つの家族をつないでいるのが、カンタとおばあちゃんです。
最初は草壁家を「おばけやしき」とからかっていたカンタも、次第にさつきたちを助けるようになります。
おばあちゃんも、草壁家をまるで昔からの知り合いのように支えてくれます。
大垣家の存在によって、さつきとメイが新しい土地に少しずつ溶け込んでいく様子も描かれているのでしょう。
まとめ
『となりのトトロ』のカンタの両親や、おばあちゃんとの関係について解説しました。
カンタには母親がおり、映画にも登場しています。
雨の日にさつきへ傘を貸したカンタが家に帰り、傘を忘れたと言って母親に叱られる場面がそのひとつです。
そして、さつきとメイから「おばあちゃん」と呼ばれている女性は、カンタの祖母です。
一方、父親については映画では詳しく描かれておらず、名前や職業などもわかりません。
そのため、カンタの家族について整理すると、
・カンタには母親がいる
・おばあちゃんはカンタの祖母
・祖母・親・カンタという三世代で暮らしていたと考えると自然
・父親については詳しい情報が描かれていない
・おばあちゃんは草壁家にとっても頼れる存在になっている
ということになります。
映画ではあまり詳しく語られないカンタの家族ですが、改めて見ると、おばあちゃんだけでなく母親もしっかり登場しています。
そして、おばあちゃんとカンタに共通する「困っている人を放っておけない優しさ」に注目すると、ぶっきらぼうなカンタの見え方も少し変わってくるのではないでしょうか。
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